スマートフォンに続く次世代デバイスとして、耳にタコができるほど噂される「Apple Glass」。皆さんも一度は「あれ、どうなったの？」と思ったことがあるのではないでしょうか？今回は、Appleがひそかに進める野望と、Tim Cook CEOの秘められた情熱について、最新情報とともにお届けします。

Apple Glassって何？ ARの世界を身近にする魔法のメガネ

皆さんは「AR（拡張現実）」という言葉を聞いたことがありますよね。簡単に言うと、現実世界にデジタル情報を重ねて表示する技術のこと。

ポケモンGOをプレイしたことがある方なら、スマホ画面を通してポケモンが現実世界に現れる、あのワクワク感をイメージするとわかりやすいかもしれません。

Apple Glassとは、このAR体験を眼鏡型デバイスで実現しようという、Appleの野心的なプロジェクト。普通のメガネのような見た目ながら、目の前に様々な情報を表示してくれる夢のようなガジェットなのです。

「へぇ、でもそれってVision Proじゃないの？」と思った方、鋭い指摘です！確かに似ていますが、大きな違いがあります。Vision Proは頭にかぶる大きなヘッドセットですが、Apple Glassは普通のメガネのように軽くて目立たない…はずなんです。まさに「魔法のメガネ」と呼びたくなるようなデバイスですね。

Tim Cook の10年越しの夢

さて、このApple Glass、実は単なる新製品というわけではないのです。BloombergのMark Gurman氏のニュースレターによると、Tim Cook CEOにとっては特別な思い入れのあるプロジェクトなんだとか。

「Timは他のことに関心がない」という内部関係者の証言もあるほど。「製品開発の観点では、彼が本当に時間を費やしているのはこれだけ」なんて話も。ええっ、Appleの他の製品はどうなるの？と心配になりますが、それだけApple Glassへの情熱が強いということなんでしょうね。

考えてみれば、Tim Cook がCEOに就任してから10年以上。「次のビッグヒット」を世に送り出したいという思いは、想像に難くありません。iPhone、iPad、Apple Watchときたら、次は…そう、Apple Glassかもしれないのです。

Metaとの熾烈なレース

ところで、ARグラスの開発に熱を上げているのはAppleだけではありません。実はMeta（旧Facebook）も同じ領域で猛スピードで開発を進めています。

MetaはすでにRay-Ban（レイバン）とコラボした「Ray-Ban Smart Glasses」を発売し、好評を博しています。これは写真撮影やAI機能を備えたスマートグラスですが、Appleが目指すような本格的なARディスプレイ機能は搭載していません。

つまり、本格的ARグラスの開発競争では、まだどちらも「一番乗り」の栄光を手にしていないのです。この状況、なんだかスマートフォン黎明期のAppleとグーグルの競争を思い起こさせます。

「MetaとApple、どっちが勝つの？」なんて考えるとワクワクしますが、ユーザーとしては競争が激しいほど素晴らしい製品が生まれる可能性が高まるので、嬉しい限りです。

エンジニアリングの悪夢との闘い

ところで、Apple Glassの開発がこんなに長引いているのには理由があります。それは、技術的な壁の高さです。

考えてみてください。Vision Proのような大きなヘッドセットではなく、普通のメガネほどの大きさと重さで、同じようなAR体験を実現するなんて…正直、「エンジニアリングの悪夢」と言っても過言ではありません。

必要な要素を挙げてみると：

• 軽量かつスタイリッシュなデザイン
• 高性能なARディスプレイ
• バッテリーと処理性能
• 快適な装着感

これらすべてを満たすとなると、相当な技術革新が必要になります。特に処理能力とバッテリーの問題は深刻で、iPhoneと連携させて処理の一部をオフロードする手法も検討されているようです。

「スマホと連携するなら、わざわざメガネにする意味ある？」と思われるかもしれませんが、両手が自由になることの利便性や、より自然な形でデジタル情報を受け取れることを考えると、十分に魅力的な選択肢と言えそうです。

Apple Glassが実現する未来

最後に、もしApple Glassが実現したら、私たちの生活はどう変わるのでしょうか？少し想像してみましょう。

朝起きて、メガネをかけるだけで今日の予定が視界に浮かび上がる。道を歩けば行き先までのナビが目の前に表示され、迷うことはない。買い物中には商品情報がリアルタイムで見られ、料理中にはレシピを見ながら両手で調理に集中できる…。

さらに進化すれば、外国語の看板を自動翻訳したり、目の前の人の名前を思い出せなかったときにそっと教えてくれたり。そう考えると、SF映画のような世界がだんだん現実になってきているような不思議な感覚になりますね。

もちろん、プライバシーの問題など解決すべき課題もたくさんあります。でも、Appleの歴史を振り返れば、新しい製品カテゴリーを作り出すたびに、私たちの生活様式を変えてきました。Apple Glassもまた、そんな革命的な製品になる可能性を秘めているのです。

Tim Cook の情熱が実を結び、私たちが思いもよらないような素晴らしい体験をもたらしてくれることを、心から期待したいです。

(Via Apple Insider.)