最新Apple Watchで睡眠時無呼吸症候群の兆候を検知!その実力は?

最新Apple Watchで睡眠時無呼吸症候群の兆候を検知!その実力は?

近年、健康管理への意識の高まりとともに、ウェアラブルデバイスの普及が進んでいます。中でもApple Watchは、その多機能性と使いやすさから、多くの人々に愛用されています。最新のApple Watch Series 9以降およびApple Watch Ultra 2では、睡眠時無呼吸症候群の兆候を検知する機能が追加され、大きな注目を集めています。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に停止してしまう病気で、米国では2,500万人、英国では150万人が罹患しているとされています。しかし、睡眠中に症状が現れるため、発見が遅れてしまうケースが多いのが現状です。

Apple Watchの新機能は、睡眠中の呼吸の乱れを検知し、ユーザーに通知することで、睡眠時無呼吸症候群の可能性を早期に認識する手助けとなります。

睡眠時無呼吸症候群とは?症状と危険性を理解しよう

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に止まってしまう障害です。アメリカでは2,500万人、イギリスでは150万人が罹患していると言われています。


2019年の報告によれば、日本においても年々増加傾向にあり、潜在患者数は2,200万人、治療が必要な患者数は940万人と推定されています。また、ブレインスリープが毎年1万人を対象に実施している「睡眠偏差値®調査」では、SASリスクが高い人の割合は男性では24.1%(1,221人)、女性では12.3%(607人)でした

睡眠時無呼吸症候群の2つのタイプ

  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
    • 喉の筋肉がリラックスしすぎて気道が塞がれる
    • より一般的なタイプ
  • 中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)
    • 脳が呼吸筋に適切な信号を送れない
    • 比較的まれなタイプ

主な症状と危険性

  • いびき
  • 日中の強い眠気
  • 起床時の頭痛
  • 集中力の低下
  • 高血圧
  • 心臓病のリスク増加
  • 脳卒中のリスク増加

睡眠時無呼吸症候群は生活の質を著しく低下させるだけでなく、重大な健康リスクをもたらす可能性があります。

しかし、パートナーがいない場合、症状に気づくのが遅れがちです。そこで、Apple Watchの新機能に期待が集まっているのです。

Apple Watchの新機能:睡眠時無呼吸症候群の症状を検出

Apple Watchシリーズ9以降とApple Watch Ultra 2に搭載される新機能は、睡眠中の呼吸障害を検出・測定することができます。重度から中程度の睡眠時無呼吸症候群に関連する呼吸障害値を検出した場合、ユーザーに通知を送ります。
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仕組みと精度

  • 加速度計データを使用
  • 多数の成人のデータで学習させたアルゴリズムを採用
  • 30日間で少なくとも10回の睡眠記録が必要
  • 記録の50%以上が高値の場合に通知

精度については、以下の数値が報告されています:

  • 感度(正しく症状を検出する確率):66.6%
  • 特異度(症状がない場合に誤検出しない確率):95.9%

これは、Apple Watchを使用しても、多くの睡眠時無呼吸症候群の症例が検出されない可能性があることを意味します。

専門家の見解:期待と懸念

Apple Watchの新機能について、医療専門家はどのように評価しているのでしょうか?

ミシガン大学 マーシャル・ルンゲ医学博士の意見

ルンゲ博士は、この技術が睡眠時無呼吸症候群への注目を高め、特に一人暮らしの人々にとって有益だと評価しています。しかし、精度の問題も指摘しています。

過剰診断よりも、見逃しのほうが心配です。睡眠時無呼吸症候群がある人が、『Apple Watchが何も言わないから大丈夫』と誤解する可能性があります

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スリープソリューションズ所有者 チェルシー・ペリー医師の見解

ペリー医師は、Apple Watchの睡眠時無呼吸症候群検出機能を「ゲームチェンジャー」と評価しつつ、注意点も挙げています。

早期発見の機会を提供する素晴らしい技術ですが、医療アドバイスを完全にテクノロジーに頼るべきではありません

日本人の睡眠事情と新技術の活用

日本人の睡眠時間は、OECD加盟国の中で最も短いと言われています。長時間労働や通勤時間の長さ、スマートフォンの使用習慣など、様々な要因が睡眠の質に影響を与えています。

Apple Watchの新機能は、こうした日本人の睡眠問題に一石を投じる可能性があります。しかし、技術に頼りすぎず、適切な生活習慣の改善と合わせて活用することが重要です。

まとめ

Apple Watchの睡眠時無呼吸症候群検出機能は、私たちの健康管理に新たな可能性をもたらします。
しかし、完全に頼り切るのではなく、あくまでも「気づき」のためのツールとして活用することが大切です。

気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診しましょう。
また、日々の生活習慣の改善も忘れずに。
テクノロジーと人間の知恵を上手に組み合わせることで、より健康的な生活を手に入れることができるでしょう。

睡眠の質を改善するために:

  1. 規則正しい就寝・起床時間を守る
  2. 寝室の環境を整える(温度、湿度、光、音)
  3. 就寝前のブルーライト exposure を減らす
  4. 適度な運動を心がける
  5. カフェインやアルコールの摂取に注意する

(Via Tom’s Guige.)


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