iPhoneユーザーにとって待望のアップデートとなるiOS 18.4の開発が着々と進んでいます。
本日、開発者向けにiOS 18.4 beta 2がリリースされ、4月の正式リリースに向けて機能が充実してきました。iOS 18.4 beta 2で追加された新機能や変更点を見て行きます。
iOS 18.4 beta 2のリリース概要
iOS 18.4 beta 2は現在、開発者向けベータテスター向けに提供されています。一般ユーザー向けのパブリックベータはまだリリースされていませんが、今週後半にはリリースされる見込みです。今回のiOS 18.4 beta 2のビルド番号は「22E5216h」となっています。
iOS 18.4の正式リリースは4月を予定しており、現在はその準備段階として機能の追加や改善が行われています。ベータ版とはいえ、今回のアップデートには多くの新機能が含まれており、iPhone体験をさらに向上させる要素が盛り込まれています。特筆すべきは、日本語によるApple Intelligence対応が追加されることで、日本のユーザーもついにAIの恩恵を母国語で受けられるようになります。
日本語対応のApple Intelligenceとその価値
iOS 18.4 beta 2における最も重要な更新の一つが、Apple Intelligenceの日本語対応です。これまで英語などの一部の言語でしか利用できなかったAI機能が、ついに日本語でも使えるようになります。これにより、日本のユーザーは母国語でApple Intelligenceの様々な機能を活用できるようになります。
Siriとの会話や文章作成支援、画像認識など、あらゆるAI機能が日本語で利用可能になることで、言語の壁を感じることなく最新テクノロジーの恩恵を受けられるようになります。特に日常的なコミュニケーションや生産性向上のための機能が、日本語環境でもスムーズに動作するようになる点は大きな進歩です。
日本語特有の言い回しや文化的コンテキストを理解したAIアシスタントの登場により、iPhoneの使い勝手は日本人ユーザーにとって格段に向上するでしょう。
優先通知の機能強化
iOS 18.4 beta 1で初めて導入された「優先通知(Priority Notifications)」機能がさらに進化しました。この機能はApple Intelligenceを活用したもので、AIが最も重要な通知を優先的に表示してくれます。
iOS 18.4 beta 2では、ユーザーがどのアプリを優先するかを自分で選べるようになりました。設定アプリでは、iPhoneにインストールされているすべてのアプリのリストが表示され、その中から優先通知の対象にするアプリを選択できるようになりました。
これにより、本当に重要な通知だけを優先的に受け取ることができ、情報の洪水に悩まされることなく効率よく通知を管理できるようになります。
通知の数が多いと感じているユーザーにとって、この機能は日々の情報管理をスムーズにするための大きな助けとなるでしょう。重要な仕事のメールや特定の人からのメッセージだけを優先的に表示させることで、情報の取捨選択が容易になります。
iPhone 15 ProでのVisual Intelligence対応
以前から予告されていた通り、iOS 18.4 beta 2ではiPhone 15 Proでも「Visual Intelligence(ビジュアルインテリジェンス)」機能が利用できるようになりました。この機能はアクションボタンやコントロールセンターからアクセス可能です。
Visual Intelligenceは、カメラで捉えた映像を分析し、画像内のオブジェクトや情報を認識して関連情報を提供する機能です。例えば、飲食店のメニューを撮影すれば料理の情報を表示したり、商品を撮影すれば価格情報を検索したりすることができます。これまではiPhone 16シリーズのみで利用可能でしたが、iPhone 15 Proユーザーも最新のAI機能を体験できるようになりました。
この機能拡大により、より多くのユーザーがApple Intelligenceのパワーを活用できるようになり、日常生活での情報収集や意思決定がよりスマートに行えるようになります。
コントロールセンターの新機能
Apple Intelligenceと関連して、コントロールセンターにもSiriとの連携を強化する新しいトグルが追加されました。iPhone 15 ProおよびiPhone 16シリーズのユーザーは、以下の新しいトグルを利用できるようになります:
「Talk to Siri(Siriに話しかける)」は音声でSiriとコミュニケーションを取るための機能です。コントロールセンターから素早くアクセスできるようになり、音声アシスタントの利用がさらに便利になりました。
「Type to Siri(Siriにタイプする)」は昨年iOS 18.1で追加された機能で、音声ではなくテキスト入力でSiriとやり取りできます。公共の場など、声を出しにくい状況でも気軽にSiriを利用できます。
「Visual Intelligence」は前述の通り、カメラを通じて情報を収集・分析する機能へのクイックアクセスを提供します。
これらの新しいトグルにより、ユーザーはApple Intelligenceの各機能に素早くアクセスできるようになり、日常的なタスクの効率化や情報収集がより迅速に行えるようになります。特に複数のアプリを行き来することなく、必要な機能にワンタップでアクセスできる点は、ユーザー体験の向上に大きく貢献するでしょう。
Apple Vision Proアプリの追加
以前から発表されていた通り、iOS 18.4ではiPhoneに新しく「Apple Vision Pro」アプリが追加されました。このアプリでは、Vision Proユーザーがコンテンツや空間体験を発見したり、デバイスに関する役立つヒントを見つけたりすることができます。
さらに、visionOS 2.4 beta 2では、約束されていた「Spatial Gallery」アプリも追加されました。このアプリは空間写真、空間ビデオ、パノラマなどをひとつの場所にまとめて管理できる機能を提供します。
これらの追加により、Apple Vision ProとiPhoneの連携がさらに強化され、拡張現実や仮想現実の体験をよりシームレスに楽しめるようになります。iPhoneからVision Proのコンテンツを管理したり、新しい体験を発見したりする際の入り口として、このアプリは重要な役割を果たすでしょう。
新しい絵文字の追加
iOS 18.4では、iPhoneユーザー向けに7つの新しい絵文字が追加されました:
- 目の下に隈のある顔:疲れや睡眠不足を表現するのに適した絵文字です。現代社会の忙しさや疲労感を絵文字で表現できるようになります。
- 指紋:セキュリティやプライバシーに関する会話で活用できる実用的な絵文字です。
- 葉のない木:季節の変化や冬の雰囲気を表現するのに役立ちます。環境や自然に関するコミュニケーションの幅が広がります。
- 根菜:食べ物や料理に関する会話がより具体的になります。健康的な食生活や料理のレシピについて話す際に便利です。
- ハープ:音楽や芸術に関する表現の幅が広がります。クラシック音楽や伝統楽器に関する会話が豊かになります。
- シャベル:ガーデニングや建設作業、比喩的な表現など、さまざまな場面で活用できます。DIYや屋外活動についての会話が具体的になります。
- 飛沫:水や液体の動きを表現できるほか、感情の爆発や驚きなど、比喩的な表現にも使えます。
これらの新しい絵文字は、コミュニケーションの幅を広げるだけでなく、より具体的な感情や状況を表現できるようになります。最近ではGenmojiの登場でカスタム絵文字も利用できるようになりましたが、標準絵文字の重要性は依然として高く、多くのユーザーにとって基本的なコミュニケーションツールとして機能し続けるでしょう。
ショートカットアプリの新アクション
iOS 18.4では大幅なSiriの変更はありませんが、アプリ内アクションや個人的なコンテキストなどの機能の基盤作りが進んでいます。iOS 18.4 beta 2には、Books、News、Safari、Mapsなど、Appleの各アプリ向けの多数の新しいショートカットアクションが含まれています。
これらの新しいアクションにより、ユーザーはより高度な自動化やカスタマイズが可能になります。例えば、特定のニュースカテゴリを自動的にチェックしたり、頻繁に使用するマップの場所へのアクセスを簡素化したりと、日常的なタスクの効率化が進むでしょう。
ショートカットアプリの機能強化は、将来的なSiriの進化にも直結しており、よりパーソナライズされたアシスタント機能の基盤を整えるものです。Apple Intelligenceの機能拡充と合わせて、iPhoneの操作性とパーソナライゼーションがさらに向上することが期待されます。
Walletアプリの新機能
Walletアプリには右上に新しい三点メニューが追加され、注文履歴、設定、そして新しい「Subscriptions & Payments(サブスクリプションと支払い)」画面にアクセスできるようになりました。Appleによると、この画面では「Apple Payで承認したサブスクリプションと定期的な支払い」が表示され、現在一部のユーザーで機能しているとのことです。
この新機能により、ユーザーは自分の定期的な支出を一元管理できるようになり、サブスクリプションの把握や管理が容易になります。近年増加しているサブスクリプションサービスの利用状況を一目で確認できるため、不要なサービスの解約や支出の最適化にも役立つでしょう。
財務管理を重視するユーザーにとって、この機能は家計の透明性を高め、支出のコントロールを強化するための重要なツールとなることが期待されます。
Apple MapsのEVルーティング改善
iOS 18.4 beta 2のコード解析によると、Apple MapsのEVルーティング機能がFordドライバー向けに大幅なアップデートを受ける見込みです。この更新により、特定の車種がCCSステーションに加えて、Tesla NACSステーションでも充電できることをApple Mapsが認識できるようになります。
電気自動車の普及が進む中、このアップデートは電気自動車ユーザーにとって非常に重要な改善となります。充電ステーションの選択肢が増えることで、長距離移動の計画が立てやすくなり、「充電切れの不安」を軽減する効果が期待できます。
特にFordとTeslaの充電ネットワーク相互利用の取り組みを反映したこの更新は、電気自動車のエコシステムの成熟を示すものであり、ユーザーの利便性向上に大きく貢献するでしょう。
まとめ
特に日本語に対応したApple Intelligenceの実装は、日本のユーザーにとって画期的な変化をもたらすでしょう。これにより、言語の壁を感じることなく、最先端のAI機能を母国語で活用できるようになります。
優先通知の設定オプションの追加やiPhone 15 ProでのVisual Intelligence対応など、AIを活用した機能が徐々に浸透し始めています。
これらの機能が日本語で利用できることで、日本人ユーザーの生産性向上や利便性の改善に大きく貢献するでしょう。また、絵文字の追加やWalletアプリの改善など、日常的に使用する機能の細かな改善も見逃せません。
iOS 18.4の正式リリースは4月を予定していますが、現在のベータ版からも、Appleがグローバルなユーザー体験の向上に注力していることがうかがえます。
特に日本語対応の強化は、日本市場を重視するAppleの姿勢を示すものといえるでしょう。
テクノロジーの進化とともに、私たちの日常生活をより豊かにするための機能が続々と追加されており、特に日本のiPhoneユーザーにとって待ち遠しいアップデートとなることは間違いありません。
(Via 9to5Mac.)
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