最初に登場したAI画像生成ツールの一つであるMidjourneyが、しばらく静かにしていました。しかし今、1年以上の沈黙を破って最新アップデート「Midjourney V7」をリリースしました。この最新バージョンの特徴や機能について解説していきます。

Midjourney V7とは?

Midjourney V7は、最近話題となっているChatGPTの最新画像モデルに続いて登場しました。ChatGPTの新モデルはスタジオジブリ風の画像変換能力で大きな話題を呼んでいますが、Midjourneyの最新バージョンもまた、これまでで最も高度なバージョンだと言われています。


Midjourneyの最新バージョンは、テキストプロンプトをより正確に理解し、明らかに高品質な画像を生成できるように設計されています。Midjourney CEOのDavid Holz氏が同社のDiscordで説明したように、この改善はテクスチャー、人体、手などの表現、さらには物体の描写にも表れています。

以前のMidjourneyモデル(および他の古いAI画像生成ツール)と比較すると、新バージョンではAIと判別するのが難しいほどの品質レベルが実現されています。これまでMidjourneyは、手や複雑な形状の再現に苦戦していました。

Midjourney V7の新機能

V7には二つの異なるバージョンがあります。「Turbo」は高価ですが処理が速く、「Relax」はより手頃な価格ですが処理速度が遅いオプションです。

また、「ドラフトモード」という新機能も導入されました。これは標準モードの10倍の速さで画像をレンダリングし、コストも半分で済みます。ただし、ドラフト画像は標準よりも品質が低くなりますが、生成結果に満足であれば品質を向上させることもできます。

現時点では、いくつかの主要機能がこのバージョンでは利用できません。画像のアップスケーリングやリテクスチャリングなどの機能は、あと数ヶ月後に追加される予定です。

ChatGPTの最新画像アップデートと同様に、初期段階ではいくつかの問題が発生する可能性があり、Midjourneyはトラフィック増加に対応するために機能の追加や削除を行う可能性があります。

パーソナライゼーション機能

Midjourneyのチームによると、V7を使用するためには最初に約200枚の画像を評価して(10分くらいかかる)、あなた専用のMidjourneyをパーソナライズする必要があります。

これにより、モデルはあなた自身の好みに合わせて調整されます。以前のMidjourneyモデルでもこの機能は可能でしたが、デフォルトで有効になるのは今回が初めてです。

パーソナライゼーションのプロセスは、あなたの好みや美的感覚に合わせてAIを調整するための重要なステップです。これにより、生成される画像があなたの期待により近いものになります。評価プロセスは直感的で、好きな画像や気に入った要素に基づいて行われます。

Midjourney V7の利用方法

Midjourneyへの登録は公式ウェブサイトから行えます。上記のパーソナライゼーションステップを通じてプロフィールをカスタマイズした後、V7はDiscordまたはMidjourney公式ウェブサイトのどちらからでも利用できます。

利用を開始するには、まず基本的なテキストプロンプトの書き方を理解することが重要です。例えば「夕日に照らされた富士山」のような簡単な指示から始めて、徐々に詳細な要素を追加していくことで、より思い通りの画像を生成できるようになります。

Midjourney V7が画像生成に与える影響

Midjourney V7の登場により、AI画像生成の世界はさらに一歩前進しました。以前のバージョンでは難しかった繊細なテクスチャーや人間の手のような複雑な形状の生成が、より自然で高品質になりました。

これにより、クリエイターやデザイナー、イラストレーターなどのプロフェッショナルも、より実用的なツールとしてMidjourneyを活用できるようになります。アイデアの視覚化や、制作過程の初期段階でのコンセプト作りに非常に役立つでしょう。

また、一般ユーザーにとっても、思い描いたイメージをより簡単に具現化できるようになり、創造性の幅が広がります。SNSでのプロフィール画像作成や、個人的なプロジェクトのビジュアル要素の制作など、様々な用途に活用できるでしょう。

日本語の音声入力にも対応

これまで、英語のプロンプトに変換していましたが、日本語の音声入力に対応し、短い単語からプロンプトを作成してくれるようになっています。

ただ残念なのは日本語の文字には対応していないようです。
Midjouney cat.

まとめ

Midjourney V7は、AI画像生成技術の進化における重要なマイルストーンと言えます。
テキストプロンプトの理解度向上や、生成画像の品質アップグレードにより、よりリアルで詳細な画像が作成可能になりました。

Turboモードとリラックスモード、そしてドラフトモードという新機能も、ユーザーの異なるニーズに対応できる柔軟性を提供しています。
また、パーソナライゼーション機能によって、個々のユーザーの好みに合わせた画像生成が可能になりました。

まだいくつかの機能が追加待ちの状態ですが、Midjourney V7は確実にAI画像生成の新たな標準を打ち立てています。


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