AppleのEU向け変更:デフォルトアプリのカスタマイズと削除の拡大
Appleは、欧州連合(EU)のユーザー向けにiOSとiPadOSにおいて大幅な変更を行うことを発表しました。
これらの変更は、EUのデジタル市場法(Digital Markets Act)に準拠するためのもので、ユーザーのデバイスカスタマイズの自由度がさらに広がることが期待されています。
デフォルトアプリの選択肢拡大:ユーザー主導のiPhone体験へ
iOS 18では、ユーザーがデフォルトアプリを自由に選択できる範囲が大幅に拡大されます。これは、EUのデジタル市場法(DMA)に準拠するためのAppleの対応策の一環です。
新たに選択可能になるデフォルトアプリ
- 電話アプリ
- メッセージアプリ
- 翻訳アプリ
- ナビゲーションアプリ
- パスワード管理アプリ
- キーボードアプリ
- 迷惑電話フィルターアプリ
これらの変更により、ユーザーは自分の好みやニーズに合わせてiPhoneをカスタマイズできるようになります。
例えば、Googleマップをデフォルトのナビアプリとしたり、サードパーティ製のキーボードアプリを常時使用したりすることが可能になるのです。
ブラウザ選択画面の改善:より公平で情報に基づいた選択を
Appleは、ブラウザ選択画面も大幅に改善します。これにより、ユーザーはより多くの情報を得た上で、自分に最適なブラウザを選択できるようになります。
主な変更点
- Safari以外のブラウザをすでにデフォルトに設定している場合、選択画面は表示されない
- デバイスごとに1回だけ表示(ユーザーごとではない)
- 新デバイスへの移行時、以前Safariをデフォルトにしていた場合のみ再選択が必要
また、選択画面のデザインも大幅に変更されます:
- ブラウザの説明にApp Storeの商品ページのサブタイトルを使用
- 全オプションをスクロールしてから選択可能に
- 選択したブラウザがインストールされていない場合、自動でダウンロード・起動
これらの変更により、ユーザーはより公平な条件で、自分のニーズに合ったブラウザを選択できるようになります。
システムアプリの削除:真の意味でのカスタマイズ
iOS 18では、これまで削除できなかったシステムアプリの一部を削除できるようになります。これは、iPhoneのユーザー体験をより自由にカスタマイズしたいというユーザーの要望に応えるものです。
新たに削除可能になるアプリ
- App Store
- メッセージ
- 写真
- カメラ
- Safari
この変更は、ユーザーにとって大きな意味を持ちます。例えば、サードパーティのアプリストアを利用したい場合、公式のApp Storeを完全に削除することができるのです。
また、プライバシーを重視するユーザーは、カメラアプリを削除してセキュリティを高めることもできます。
ただし、これらのアプリを削除することで、一部のシステム機能に影響が出る可能性があります。Appleは、各アプリを削除した際の影響について、詳細な情報を提供する必要があります。
この変更が意味するもの:ユーザーの選択肢と責任の拡大
これらの変更は、単なる機能追加以上の意味を持ちます。iPhoneユーザー、特にEU圏内のユーザーにとって、これは自分のデバイスをより自由にコントロールできるようになることを意味します。
メリット
- 個人の好みやニーズに合わせたカスタマイズ
- サードパーティ製アプリの可能性拡大
- プライバシーとセキュリティの個人的な管理
潜在的な課題
- システム統合度の低下による機能の制限
- セキュリティリスクの増加(不適切なアプリを選択した場合)
- ユーザー体験の一貫性の低下
これらの変更は、ユーザーに大きな自由を与えると同時に、より大きな責任も課すことになります。自分のデバイスをどのように設定し、どのアプリを使用するかを慎重に選択する必要があるでしょう。
日本のユーザーへの影響:今後の展開に注目
現時点では、これらの変更はEU圏内のユーザーにのみ適用されます。しかし、日本を含む他の地域にも同様の変更が広がる可能性は十分にあります。
日本での展開が期待される理由
- グローバル企業としてのAppleの一貫性
- 日本の消費者庁や公正取引委員会の動向
- ユーザーからの要望の高まり
日本のiPhoneユーザーも、これらの変更に注目し、将来的な導入に備えておく価値があるでしょう。
例えば、現在使用しているサードパーティ製アプリの中で、デフォルトアプリとして設定したいものはないか、考えておくと良いかもしれません。
まとめ
デフォルトアプリの自由な選択、システムアプリの削除、そしてより公平なブラウザ選択。これらの変更は、ユーザーに unprecedented な 自由を与えると同時に、より賢明な選択を求めることになるでしょう。
日本のユーザーにとっても、これらの変更は他人事ではありません。
将来的に同様の機能が導入される可能性を見据え、自分のiPhone使用習慣を見直し、最適なアプリ構成を考えておくことも良いでしょう。
iPhoneは、ますますユーザーの個性を反映するデバイスになっていくでしょう。
この変化を前向きに捉え、自分だけの理想のiPhone環境を作り上げていくことが、これからのスマートフォン活用の鍵となるかもしれません。
(Via BGR.)
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