iPhone、iPad、Macに2nmチップが登場するのはいつ?Appleの次世代シリコン技術の行方
スマートフォンやパソコンの性能を左右する最も重要な要素のひとつが「プロセスノード」と呼ばれるチップの製造プロセスです。
このプロセスが進化することで、省電力性能や処理能力が向上し、私たちの日常生活もますます便利になります。Appleは常に最先端の技術を採用し続けていますが、最近のシリコン技術の進展速度は以前と比べて遅くなっているようです。
3年サイクルとなった半導体製造プロセス
かつてAppleは半導体製造プロセスを2年サイクルで更新してきました。7nmプロセスや5nmプロセスは、それぞれ2年間使用されてきました。しかし、現在の3nmプロセスは異なる様相を見せています。
次期iPhone 17シリーズでも3nmプロセスが採用される可能性が高いとされており、これは3年連続での同一プロセス採用となります。
実は、このような長期サイクルは過去にも存在していました。2020年に登場したA14チップセットは、TSMCの5nmアーキテクチャの第一世代を採用し、2021年のA15は第二世代5nmプロセスを使用しました。
そして2022年のiPhone 14 Proに搭載されたA16チップセットは、一般には「4nm」プロセスと呼ばれていますが、実際にはTSMCの「5nmテクノロジーファミリー」の一部として位置づけられています。
2nmプロセス採用の展望:iPhone 17とiPhone 18
当初、iPhone 17がTSMCの最先端2nm製造プロセスを採用すると噂されていましたが、現在の見通しは異なります。著名なサプライチェーンアナリストのMing-Chi Kuo氏によると、iPhone 17シリーズには第三世代3nmプロセス(N3P)が採用される見込みです。
2nmプロセスの採用は、2026年発売予定のiPhone 18シリーズまで待つ必要があるようです。ただし、コストの観点から、iPhone 18の全モデルに2nmプロセスが搭載されるわけではないとされています。
おそらく、iPhone 18のベースモデルは3nmプロセスを継続使用し、Proモデルのみが2nmプロセスを採用する可能性が高いのではないでしょうか。
2nmプロセスの製造スケジュール
TSMCは2025年中に第一世代2nmプロセス(N2)のリスク生産を開始し、同年後半から量産体制に入る予定です。このスケジュールは理論的にはiPhone 17の発売時期と合致しますが、Appleは何らかの理由で採用を見送ることを選択したようです。
実際、3nmプロセスの場合も、2022年後半に量産が開始されましたが、Appleは1年待って採用を決めています。また、MacやiPadに搭載されるM5ファミリーのチップについても、韓国メディアThe Elecの報道によると、第三世代3nmプロセスが採用される見込みです。
今後の展望と技術的な意義
半導体製造プロセスの微細化は、以前ほど急速には進まなくなっています。これは技術的な課題が増加しているためです。実際、Appleが2023年に3nmチップを採用できたのも、他社が見送った初期生産版の3nmプロセス(N3B)を採用したからでした。
半導体製造プロセスの進化がもたらすメリット
- より高い処理性能の実現
- 電力効率の向上
- より多くの機能の集積が可能に
プロセス世代の移行における考慮点
- 製造コストと歩留まり
- 量産体制の確立
- 既存技術との互換性
以上の要因から、Appleデバイスへの2nmプロセス搭載は早くても2026年以降となる見込みです。
(Via 9to5Mac.)
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