RCSが米国で1日10億通達成!AppleもiOS 18で対応、メッセージアプリの未来はどうなる?LINEの国・日本への影響は?

みなさん、スマホでメッセージのやり取りってよくしますよね。「既読スルーされた?」なんて気になったり、グループチャットで盛り上がったり…。そんな私たちのコミュニケーションを支える技術が、今大きく変わりつつあるのです。
Googleが最近発表したニュースによると、米国では一日に10億通を超えるRCS(Rich Communication Services)メッセージが送信されているそうです。これって一体どういう意味があるんでしょうか?なんだかすごい数字に聞こえますが、私たちの日常にどう関わってくるのでしょうか?
RCSって何?従来のSMSとどう違うの?
まず、RCSって何なのか、ちょっと整理してみましょう。RCSは「Rich Communication Services(リッチコミュニケーションサービス)」の略で、従来のSMS(ショートメッセージサービス)を進化させたものなのです。
SMSといえば、文字だけのシンプルなメッセージで、写真を送ろうとすると画質が落ちてしまったり、グループチャットの機能が限られていたりと、いろいろと不便なことがありました。子どもの運動会で撮った素敵な写真を友達に送ったのに「なんか画質悪くなってる…」なんて経験、ありませんか?
RCSはそんな不満を解消してくれるのです。具体的にどんな機能が使えるようになるのかというと:
- 高画質の写真や動画がそのまま送れる
- 「〇〇さんが入力中…」という表示が見える
- メッセージの既読確認ができる
- グループチャットの機能が充実(名前の変更やメンバーの追加・削除など)
- 絵文字によるリアクションがきちんと表示される
要するに、LINEやMessengerなどのメッセージアプリでできることが、普通のメッセージでもできるようになるということなのです。便利になりますよね。
AppleとGoogleの長い戦い
ここで少し背景を説明しておく必要があります。スマホの世界には大きく分けて「iPhone」と「Android」という二つの陣営があります。iPhoneを使っている人同士なら「iMessage」という青い吹き出しのメッセージでやり取りできますが、Androidユーザーとのやり取りになると緑の吹き出しになり、機能が制限されてしまうのです。
Googleは長年、AppleにRCSの採用を求めてきました。AndroidとiPhoneの間でもスムーズなメッセージのやり取りができるようにするためです。これまでiPhoneユーザーがAndroidからメッセージを受け取ると、写真や動画が粗くなったり、グループチャットの管理が難しくなったりしていました。
例えば、Androidユーザーを含むグループチャットでは名前を変更できなかったり、メンバーの追加・削除ができなかったり、自分が退出したくてもできなかったりしていたのです。絵文字のリアクションもうまく表示されず、「〇〇さんが👍でリアクションしました」というような余計なテキストが表示されていました。正直、ちょっとうっとうしかったのです。
iOS 18でついに実現したRCSサポート
この状況が変わったのは2024年秋のiOS 18のリリースでした。AppleがついにRCSのサポートをMessagesアプリに追加したのです。これにより、iPhoneとAndroidの間のメッセージのやり取りがスムーズになりました。
ただし、一つ面白いポイントがあります。AppleはRCSチャットも従来通り「緑の吹き出し」で表示することを選びました。これには理由があって、特に米国の若者の間では「青い吹き出し」がステータスシンボルになっているのです。
「緑の吹き出し」だとなんとなくカッコ悪い…そんな風潮があるようで、Apple側もその「ブランド価値」を守りたいという思惑があるのでしょう。
実際、米国の若者の間ではiPhoneが圧倒的に人気で、この「青い吹き出しへの憧れ」が一因になっているんだとか。日本ではあまり見られない現象かもしれませんが、メッセージアプリの見た目がスマホ選びに影響するなんて、面白いですね。
10億通という数字の意味
さて、Googleが発表した「米国で一日10億通を超えるRCSメッセージが送信されている」という数字。これはどれくらいすごいことなのでしょうか?
Googleによると、この数字は過去28日間の平均値だそうです。米国の人口が約3億3000万人だということを考えると、一人あたり平均で一日に3通ほどRCSメッセージを送っている計算になります。もちろん、実際には使っていない人もいれば、たくさん使っている人もいるでしょうから、あくまで目安ですが。
ただ、驚くべきは成長スピードかもしれません。iOS 18が登場したのは2024年秋。それから数か月でこれだけの普及率になっているということは、多くの人がこの新しい機能を活用し始めているということでしょう。
コミュニケーションの新時代へ
一日10億通を超えるRCSメッセージが米国で送信されているというニュースは、私たちのデジタルコミュニケーションが新たな段階に入っていることを示しています。
AppleとGoogleという2大巨頭がついに歩み寄り、ユーザー体験の向上を図っている点は、なかなか興味深いものがあります。スマホの普及によって変わり続けてきた私たちのコミュニケーションスタイルが、また一つ進化しようとしているのかもしれません。
日本におけるRCSメッセージの現状と今後:LINEの国からの新たな風
みなさん、友だちとのやりとりには何使ってます?「そりゃLINEでしょ!」って答える人がほとんどだと思います。実際、日本では人口の約9割がLINEを使っているといわれていて、もはや国民的コミュニケーションツールの座を獲得しています。
でも、先ほどお話したアメリカの「RCSメッセージが一日10億通」というニュースを聞くと、「日本ではどうなの?」って気になります。
「LINEの国・日本」の特殊事情
日本のメッセージアプリ事情って、実は世界的に見るとかなり特殊なんです。米国ではiMessageやAndroidメッセージ、ヨーロッパではWhatsAppが人気ですが、日本ではとにかくLINEが圧倒的。
「スタンプで気持ちを伝える」「既読スルーで人間関係にヒビが入る」「グループLINEが多すぎて通知をオフにしている」なんて文化も、すっかり定着しています。
「でも、スマホの標準メッセージアプリって使わないの?」
そう思われるかもしれませんが、日本では標準のメッセージアプリ(SMS)は、主に以下のような限られた用途でしか使われていません:
- 二段階認証のパスコード受け取り
- 配送業者からの不在通知
- 災害時の安否確認
- キャリアからのお知らせ
つまり、人と人とのコミュニケーションよりも、サービスからの通知受け取りが中心なのです。
日本のキャリアのRCS対応状況
実は、日本の主要キャリアはすでにRCSに対応しています。ドコモ、au、ソフトバンクは「+メッセージ」というサービス名でRCSを提供しているのです。
「え?知らなかった…」という方、実はかなり多いと思います。それもそのはず、利用率は公表されていませんが、LINEに比べるとかなり低いのが現状。なんと、スマホに最初から入っている「+メッセージ」アプリを開いたことがない人も少なくないでしょう。
存在は知っているけど、使う機会がなくて忘れられている、そんな感じです。
RCSが日本で普及する可能性はあるの?
さて、米国では急速に普及しているRCSですが、日本でも同じように広がるでしょうか?
正直なところ、LINEの牙城を崩すのは簡単ではなさそうです。でも、いくつかの状況次第では、RCSが徐々に存在感を増す可能性はあります:
- iPhone・Androidの垣根を超えたコミュニケーション:LINEが入っていない海外の人とのやりとりがスムーズになる
- ビジネス利用の拡大:企業からのお知らせやサポートがよりリッチな形で届く(例:航空会社からの予約確認にチェックインボタンが付いているなど)
- 標準搭載の安心感:アプリをインストールする必要がなく、自動的に利用できる手軽さ
特に面白いのは、2番目のビジネス利用です。例えば、オンラインショッピングをしたとき、「発送されました」という通知が単なるテキストではなく、地図や配送状況、問い合わせボタンなどが付いた豊かな内容で届いたら便利です。
日本独自のRCS活用法が生まれるかも?
日本人って、新しい技術を取り入れると、独自の進化をさせるのが得意です。携帯電話も「ガラケー文化」という独自の発展を遂げましたよね。
RCSもまた、日本独自の使い方が生まれる可能性があります。例えば:
- 災害時の情報共有:緊急速報メールとRCSを組み合わせた、より詳細な災害情報の提供
- 行政サービスとの連携:マイナンバーカードと連動した役所の手続き簡略化
- 地域限定の情報配信:地元の店舗や観光情報をその地域にいる人だけに届ける
「でも、それってLINEでもできそうじゃない?」
そう思うかもしれませんが、RCSの強みは「標準搭載」という点。アプリをダウンロードする必要がなく、スマホを持っているだけで自動的に利用できるんです。高齢者や技術に詳しくない方でも、難しい設定なしで使えるのは大きなメリットかもしれません。
LINEとRCSは共存できる?
結論から言うと、当面はLINEの優位性は変わらないでしょう。でも、LINEとRCSは「完全な競合」というよりも、「役割の違う道具」として共存する可能性が高いと思います。
私の願望は、LINEは「友だち同士で使う特別な連絡ツール」、RCSは「様々なサービスと繋がる基本的な連絡手段」といった感じでしょうか。公共のサービスは安心感が一番大切です、LINEのセキュリティに疑問を持っている層もこれなら企業や公共のサービスで使おうかなと言う気にもなりそうです。
私たちが今、メールアドレスを持ちながらもLINEを使っているように、RCSもまた別の選択肢として、私たちのデジタルライフに加わるかもしれません。
まとめ
特に、以下のような変化が起きるかもしれません:
- 海外の友人や取引先とのコミュニケーションがよりスムーズに
- サービスや企業からのお知らせがよりインタラクティブに
- 災害時などの重要な連絡手段としての信頼性向上
テクノロジーの進化とともに、私たちのコミュニケーション方法も少しずつ変わっていくのかもしれません、と言うか、願望を込めて変わって欲しいですね。
最終的には、「どんなメッセージアプリを使うか」より「安全に、誰とどうつながりたいか」という本質的な部分が大事なのです。たくさんの選択肢があることで、より自分に合った方法でコミュニケーションできる未来。それって、ちょっとワクワクしませんか?
そう、変わるのはツールであって、伝えたい気持ちは変わらないのです。
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