GoogleのAI研究ツール「NotebookLM」が待望のモバイルアプリをリリース!Android版&iOS版が登場

GoogleのAI研究ツール「NotebookLM」が待望のモバイルアプリをリリース!Android版&iOS版が登場

研究、学習、情報整理のプロセスを大きく変える可能性を秘めたGoogleのAIツール「NotebookLM」が、ついにAndroidとiOS向けの公式モバイルアプリとしてリリースされました!

これは、これまでWeb版のみを利用していた多くのユーザーにとって、まさに朗報と言えるでしょう。Googleは当初、5月20日にリリースを予定していましたが、それを前倒しし、1日早く提供を開始しました。

これにより、プログレッシブWebアプリ(PWA)を使う必要がなくなり、よりスムーズで統合されたネイティブアプリ体験が得られるようになりました。

NotebookLMとは?なぜ「Grounded AI」が強力なのか

NotebookLMは、単なる一般的なAIアシスタントとは異なります。その最大の特徴は、「あなたがアップロードしたソース資料のみに基づいて応答する」という点にあります。インターネット上の広範な知識ではなく、特定の資料群に厳密に根ざして機能するため、以下のような点で非常に強力です。

  • ハルシネーション(誤情報)の抑制: AIが事実に基づかない情報を生成する「ハルシネーション」のリスクを最小限に抑えます。
  • 特定情報源への正確な依拠: 特定の文書や講義ノートなど、あなたが提供した情報源から正確な答えや要約を得ることができます。

例えば、大学の特定の講義資料に基づいて試験勉強をする場合、インターネット上の一般的な情報ではなく、その教授の資料から正確なポイントを押さえたいですよね。


NotebookLMを使えば、PDFファイル、テキストファイル、音声ファイル、Webサイト、YouTube動画など、あらゆる形式の資料をアップロードするだけで、その資料に基づいた質問応答や、フラッシュカード、要約などの学習コンテンツを生成できます。

これまでWeb版のみだったNotebookLMがモバイルアプリになったことで、この強力なツールを場所を選ばずに活用できるようになりました。移動中や外出先での資料確認、音声による学習、ちょっとした隙間時間の情報整理など、モバイル環境での利用が格段に便利になります。

待望のモバイルアプリ!主な機能を見てみよう

Android版およびiOS版のNotebookLMアプリは、Web版で提供されている主要な機能を踏襲しつつ、モバイルならではの使いやすさを考慮したデザインとなっています。

ホーム画面

アプリを起動すると、あなたが作成したノートブックが一覧表示されます。それぞれのノートブックはカラフルなカード形式で表示され、ノートブック名、絵文字、含まれるソースの数、作成日などが一目で分かります。

画面上部にはフィルター機能があり、「最近使ったもの」「共有済み」「タイトル」「ダウンロード済み」でノートブックを絞り込んだり、並べ替えたりすることが可能です。

IOS NotebookLM_02.

ノートブックの作成とソースの追加

リストの下部にある「作成」ボタン や、Android/iOSの共有シート機能 を使うことで、PDF、Webサイト、YouTube動画、テキスト、音声ファイルなどを簡単に新しいノートブックのソースとして追加できます。既存のノートブックにソースを追加することも可能です。

ノートブック内

特定のノートブックを開くと、画面下部に「ソース」「チャットQ&A」「スタジオ」という3つのタブバーが表示されます。

  • ソース: ノートブックに追加された元の資料を一覧で確認できます。
  • チャットQ&A: ここがNotebookLMの核となる部分です。アップロードしたソースについてAIに質問したり、資料に基づいた様々なコンテンツを生成させたりできます。要約を作成したり、特定のテーマについて深掘りする質問を投げかけたりする際に利用します。Web版でStudioタブに表示される機能(タイムライン、ブリーフィングドキュメント、FAQなど)も、Studioタブからは使えませんが、このチャットQ&AタブでAIに直接指示を出すことで生成可能です。
  • スタジオ: 後述の「オーディオ概要」機能が集約されています。

オーディオ概要(Audio Overviews)機能

NotebookLMの非常にユニークで便利な機能の一つが「オーディオ概要」です。これは、ノートブックの内容をポッドキャスト形式で要約して音声で聞くことができる機能です。モバイルアプリでは、この機能がさらに強化されています。

  • バックグラウンド再生とオフライン対応: 音声はバックグラウンドで再生可能で、ダウンロードすればオフライン環境でも聞くことができます。移動中や外出先での「耳で学習」に最適です。
  • モバイル版独自の改善: 再生画面では、Web版よりも動的なアニメーションが表示されるようになりました。また、Web版ではオーディオ概要を再生する前にダウンロードする必要がありましたが、モバイル版ではダウンロード前に削除できるようになり、不要な長い音源を誤ってダウンロードする手間が省けました。
  • 再生コントロール: 再生/一時停止、10秒のスキップ(前後)、再生速度調整、オーディオの共有といった基本的なコントロールが揃っています。
  • AIホストとの会話: ベータ機能として、「AIホストに参加」してオーディオ概要の内容について追加の質問をすることも可能です。

IOS NotebookLM_03.

デザイン

アプリは、デバイスのシステムテーマに合わせたライトモードとダークモードに対応しています。スマートフォンだけでなく、タブレット向けのインターフェースも提供されています。ただし、最新のMaterial 3デザイン要素はあまり活用されていないようです。

モバイル版の注意点:Studio機能の制限

モバイルアプリは非常に便利ですが、現時点ではWeb版と比較していくつかの違いや制限があります。特に知っておくべき点は「Studio」タブの機能です。

  • Studioタブの機能制限: モバイル版のStudioタブでは、オーディオ概要以外の機能が利用できません。Web版のStudioタブに用意されている「タイムライン」「ブリーフィングドキュメント」「FAQ」といった事前定義されたプロンプトや、「マインドマップ」機能は、モバイル版のStudioタブには表示されません。

ただし、これはこれらの機能(タイムライン、ブリーフィングドキュメント、FAQなど)がモバイル版で全く使えないという意味ではありません

Studioタブから直接利用することはできませんが、「チャットQ&A」タブでAIに直接指示を与えることで、Web版と同様に資料に基づいたこれらのコンテンツを生成させることが可能です。 Mind Mapについては、ソースにモバイル版での生成・表示に関する明確な記述はありませんが、Studioタブの制限から推測すると、現時点ではモバイル版でのフル機能利用は難しい可能性があります。

その他の制限として、iOS/iPadOS版については、App Intentsとの連携がサポートされていません。そのため、Spotlight検索でノートブックを表示したり、ウィジェット、コントロールセンター、ショートカットアクションなどからNotebookLMを利用したりすることはできません。

入手方法と価格

NotebookLMアプリは、Google Play Store(Android)およびApp Store(iPhone/iPad)から無料でダウンロードできます。

一部の機能は無料で利用できますが、高度な機能を利用するにはサブスクリプションが必要となる場合があります。サブスクリプションはアプリ内課金またはGoogleから直接購入できます。無料版と有料版の違いについては、Googleの公式ブログで確認できます。

まとめ

「Googleの最も過小評価されているAIツール」とも呼ばれるNotebookLM のモバイルアプリ登場は、Google I/O 2025カンファレンスが目前に迫るタイミングとなりました。

GoogleがAIに注力している中で、NotebookLMも今後さらに機能が強化されていくことが期待されます。特に、モバイル版のStudio機能がWeb版と同等になることや、iOSでのシステム連携が進むことにも期待したいところです。

NotebookLMのモバイル化は、研究者、学生、ライター、アナリストなど、特定の資料に基づいて深く情報を理解し、活用する必要があるすべての人にとって、大きな一歩となるでしょう。ぜひダウンロードして、その便利さを体験してみてください。


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