FortniteがiPhoneとiPadの米国App Storeに復活

FortniteがiPhoneとiPadの米国App Storeに復活

大人気バトルロイヤルゲーム「Fortnite(フォートナイト)」が、ようやく米国のiPhoneとiPadユーザーのもとに舞い戻ってきましたよ。長い裁判の末についに実現した今回の復活劇。いったい水面下で何が起きていたのか、そしてこれからどうなっていくのか、わかりやすく見ていきましょう!

なぜFortniteはApp Storeから消えていたの?

「えっ、Fortniteって消えてたの?」と思った方も多いはず。実は2020年8月、FortniteはApp Storeから電撃的に姿を消しちゃったんです。その裏には、開発元のEpic GamesとAppleの間で起きた「お金」と「権利」をめぐる超ビッグな争いがありました。


Epic Gamesは、Appleが課している「アプリ内課金の30%手数料」にずっとモヤモヤしていたんです。「自分たちが作ったゲームなのに、売上の3割も持っていかれるなんて…」という不満があったわけです。そこで彼らは超大胆な行動に出ました。Fortniteのアプリに、こっそりとAppleのシステムを迂回する独自の支払い方法を追加したんです。

「それってルール違反!!じゃない?」

そう思いますよね!Appleも同じことを思ったようで、これを規約違反と判断。即座にFortniteをApp Storeから削除し、Epic Gamesの米国開発者アカウントまでブロックしたのです。こうして、多くのiPhoneとiPadユーザーは突然、大好きなFortniteで遊べなくなったというわけです。

ただ、この問題には両社の立場があって、Appleの視点からすると「Epic GamesはApp Storeのあらゆるメリットを享受したいのに、ルールは守りたくない」という不満があったのです。世界中の富裕層を含む10億人超のユーザーへのアクセスという巨大な価値を提供しているのに、その対価を払いたくないのは不公平だという主張もあったのです。
Fortnight 01.

長い法廷闘争の末に見えた光

この出来事をきっかけに、両社の間で「裁判合戦」が始まりました。(ゲーム内のバトルじゃなくて、リアルな法廷でのバトルです!)最初の判決は2021年9月に出されたのですが、Epic GamesもAppleも「うーん、これじゃ納得できないなぁ…」という感じで、両社とも控訴。まさに泥沼の争いに発展したのです。

想像してみてください。世界的な大企業同士が、何年もかけて「いやいや、こっちが正しいんだよ!」「いやいや、そっちが間違ってるでしょ!」ってやりあってる様子を。私たちユーザーからすると「早く仲直りして、ゲームを復活させてよ〜」って感じですよね。

そうこうするうちに、今月初めについに大きな動きが!ゴンザレス・ロジャース判事が、「Appleに、開発者が自分のアプリからApp Store以外の支払い方法へ誘導することを邪魔しちゃダメよ」という内容の差止命令を出したのです。

これを受けて5月9日、Epic Gamesは「チャンス到来!」と、自社のスウェーデン部門のアカウントを使って、Fortniteを米国のApp Storeに再提出。この新バージョンには、AppleのIn-App Purchase(アプリ内課金)システムと、Epic Games Store経由の外部支払いオプションの両方が含まれていたのです。つまり、ユーザーが選べるようになった、というわけです。

復活までの最後の壁

ところが、物事はそう簡単には進まなかったのです。

1週間後、Epic Gamesは「Appleが私たちのFortniteを世界中でブロックしてるよ!」と大声で主張。一方Appleは「いやいや、EU(欧州連合)での利用をブロックしたわけじゃないよ。米国のストアフロントを含まないEU向けの更新を再提出してくれれば良いんだよ」と反論。

なんだか子どもの「言った・言わない」論争みたいになってきました。この時点では「結局、Appleは復活させてくれるの?させてくれないの?」という疑問が宙に浮いたままだったのです。Appleは「差止命令の一時停止について裁判所がどう判断するか見てからに」というスタンスを取っていて、どっちつかずな状態が続いていました。

そんな中、状況が一変したのは昨日のこと。判事がついに「もう、いい加減にしなさい!」と言わんばかりに、「Epic GamesとAppleが問題を解決できなければ、Appleの偉い人が直々に法廷に出てきて説明せよ!」と言い渡したんです。しかも「あらゆる質問に答える準備を完全に整えておくように」と。

あなたが大企業の幹部だとして「裁判官の前でいろんな質問に答えなきゃいけない」と言われたら、ドキドキしてしまいます。

そして驚くべきことに、その1日後、Appleはついに折れたのか、Fortniteが再びApp Storeで利用可能になりました!Appleからは特になんのコメントもなく、静かに事態は動いたのでした。

今回の復活が意味するもの

さて、Epic GamesとAppleの激闘の結果、Fortniteが戻ってきたわけですが、これって単なる「人気ゲームの復活」という枠を超えた大きな意味があるのです。

まず、これってスマホアプリ業界全体にとって「あれ?何か変わるかも?」という風を起こす出来事です。アプリの開発者さんたちは、いつもAppleの「庭」であるApp Storeのルールに従ってきました。でも、今回の出来事は「もしかして、開発者さんたちの自由の幅が広がるかも?」という可能性を感じさせてくれるのです。

特に注目したいのは、Fortniteで実現した「支払い方法の選択肢」。AppleのIn-App Purchaseシステムだけでなく、外部の支払いオプションも提供できるようになりました。これって私たち消費者にとっても「あ、選べるんだ!」という新たな自由が生まれたことを意味します。

ただ、この「自由」には複雑な側面もあって…Appleの主張にも一理あるんです。App Storeというプラットフォームは「安全性」「使いやすさ」「巨大な顧客層へのアクセス」という大きな価値を提供していて、それには対価が必要という考え方。世界中の富裕層を含む10億人超のユーザーに直接アクセスできるなんて、普通に考えたらすごい特権ですよね。

そう考えると、「Epic GamesはApp Storeのメリットだけ享受して、ルールは守りたくない」というAppleの不満も分かる気がします。まぁ、どちらの言い分にも「なるほど〜」と思える部分があって、正解はひとつじゃないのかもしれませんね。

支払い方法の選択は、本当にユーザーにとって良いこと?

ところで、ちょっと気になる研究結果があるのです。RevenueCatというサブスクリプション分析会社が、アプリ内課金とWeb決済の比較テストを行ったところ、驚きの結果が出たのです。

  • アプリ内課金(IAP)がコンバージョン率にとって良いことがわかります。実際、少なくとも30%優れています。
  • ユーザーをアプリ外にプッシュすることは、初期コンバージョン率に大きな影響を与えるようです。これは、開発者にとって手数料分が「無料の」恩恵として手に入るわけではないことを示唆しています。
  • 開発者がAppleのSmall Business Programに参加しており、手数料が15%である場合、この初期結果に基づくと、トラフィックをWebに送ることは利益にならない可能性が高いです。
  • 手数料が30%の場合は状況がより近いかもしれませんが、割引などのトレードオフがない素朴な実装では、Web決済に移行する価値はないようです。
  • より洗練されたターゲティング、効果的なフレーミング、異なるチェックアウトページ、あるいは価格設定での妥協点を見つけることで、コンバージョンの低下を収益増加で補う方法が見つかる可能性はゼロではありません。

この結果から見ると

トライアルから定期購読への移行率、更新率、返金率などの下流の指標が結果に影響を与える可能性はありますが、Webにおける初期コンバージョンの大幅な低下を考慮すると、Web有利な結果になる可能性は低いと思われます。

まとめ

約5年の長い道のりを経て、FortniteはついにiPhoneとiPadの米国App Storeに戻ってきました。Epic GamesとAppleの争いは、アプリ開発者と大手プラットフォームの関係性について、多くの問いを投げかけました。

今回の復活は、単にゲームが戻ってきたというだけでなく、デジタルマーケットプレイスの未来に影響を与える重要な出来事かもしれません。

(Via .)


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