GPT-4.5 Orionとは?
OpenAIは最新のAIモデル「GPT-4.5 Orion」を発表しました。これは同社がこれまでにリリースした中で最大規模のモデルであり、これまで以上の計算能力とデータを活用してトレーニングされています。
GPT-4.5 has entered the Chat.https://t.co/tBzJxSyCeY
— OpenAI (@OpenAI) February 27, 2025
主要な特徴
- 大規模なデータと計算資源の活用:従来のGPTシリーズと同様に、大量のデータを用いた事前学習(unsupervised learning)によって開発されました。
- 「フロンティアモデル」ではないとする立場:OpenAIは、GPT-4.5を最先端のAIモデル(フロンティアモデル)とは位置付けていません。
- ChatGPT Pro向けに提供開始:月額200ドルのChatGPT Proプランのユーザーは、すでにGPT-4.5を利用できます。
- ChatGPT PlusとChatGPT Teamに登録しているユーザー:来週中にこのモデルにアクセスできるようになる予定です。
- APIの利用コスト:GPT-4.5のAPI利用は非常に高額で、100万トークンあたり75ドル(入力)および150ドル(出力)と設定されています。
GPT-4.5の性能と限界
高性能ながら限界も
GPT-4.5は、数学・文章生成・プログラミングといった領域で高い性能を示していますが、最新のAI推論モデルと比較すると限界も指摘されています。
- 数学・科学問題に強み:
- 推論能力の課題:
- コーディング能力の比較:
– 数学や科学関連の問題において、他のモデルと比較して高いパフォーマンスを発揮。
– DeepSeek、AnthropicのClaude 3.7 Sonnetなど、最新の推論モデルと比較すると、特定のベンチマークで劣る。
– SWE-Bench VerifiedではGPT-4oやo3-miniと同等の性能を示すが、AnthropicのClaude 3.7 Sonnetには及ばない。
– SWE-LancerではGPT-4oやo3-miniを上回るが、OpenAIのDeep Researchには劣る。
GPT-4.5のユニークな特長
OpenAIによると、GPT-4.5は「人間の意図を理解する能力」において優れており、他のモデルには見られない特長を持っています。
- 自然で暖かみのあるトーン:
- SVG生成能力:
- ソーシャルな配慮:
– GPT-4.5は、感情表現やクリエイティブなタスクにおいて、より人間らしい応答が可能。
– 実験では、GPT-4.5のみが数学的なコードを用いてユニコーンのSVG画像を生成することに成功。
– 「試験に落ちて落ち込んでいる」という入力に対し、最も適切な応答を生成。
AI業界の展望とGPT-4.5の役割
GPT-4.5の登場は、AI業界において重要な転換点となる可能性があります。
「スケーリングの法則」の限界
OpenAIの共同創業者であるIlya Sutskever氏は、「すでに学習可能なデータの上限に達している」と発言しており、今後のAIモデルは、従来のスケーリング手法だけでは性能向上が難しくなると予想されています。
推論モデルとの統合へ
OpenAIは、GPTシリーズのモデルと「o」推論モデルを統合し、GPT-5の開発を進める予定です。GPT-4.5は単体でAI業界のベンチマークを支配するモデルとは言えないものの、今後のより強力なAIモデルの布石と見られています。
まとめ
しかし、最新の推論モデルと比較すると限界もあり、AI業界における「スケーリングの法則」の終焉を示唆する要素もあります。
OpenAIは、今後GPT-5に向けた統合モデルの開発を進めていく方針であり、GPT-4.5はその過程の一部としての役割を果たすことが期待されています。
(Via OpenAI.)
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