AIの進化は止まらない！Anthropicが新たな一歩を踏み出す

AI（人工知能）技術の進化は、私たちの生活やビジネスに大きな影響を与え続けています。その最前線を走る企業の一つが、Anthropicです。

The Informationの報道によると、Anthropicは数週間以内に次世代のAIモデルを発表する予定です。この新モデルは、「深層推論」と「高速応答」を切り替えることができる「ハイブリッド」な能力を持つとされています。

深層推論と高速応答 – 開発者のニーズに応える柔軟性

今回の新モデルの最大の特徴は、開発者がAIモデルの動作を細かく制御できる点にあります。具体的には、「スライディングスケール」と呼ばれる機能が導入され、深層推論の能力と高速応答のバランスを調整できるようになります。

深層推論は高度な計算能力を必要とするため、開発者はこの機能を使ってコストを最適化できます。

The Informationの報道によると、この新モデルは、一部のプログラミングタスクにおいて、OpenAIの「o3-mini-high」推論モデルを上回る性能を発揮するとのこと。さらに、大規模なコードベースの分析や、ビジネス関連のベンチマークでも優れた結果を出しているとされています。

Anthropic CEO、Dario Amodei氏が語る「推論モデル」の未来

AnthropicのCEOであるDario Amodei氏は、TechCrunchのインタビューで、新しいモデルについて次のように示唆しています。「私たちは、より差別化された独自の推論モデルの開発に注力しています。」

Amodei氏は、「通常のモデル」と「推論モデル」が別々に存在するという考え方に疑問を呈しています。「もし私があなたと話しているとき、あなたは2つの脳を持っているわけではありません。一方がすぐに反応し、もう一方が長い時間待つ、ということはありません。」

Amodei氏によると、入力に応じて、Claude 3.5 SonnetやGPT-4oのような事前学習済みモデルと、OpenAIのo1やDeepSeekのR1のような強化学習で訓練され、思考連鎖（CoT）を生成できるモデルとの間で、よりスムーズな移行が実現されるべきだとしています。

「これらは単一の連続したエンティティの一部として存在するべきだと考えています。まだそこには到達していないかもしれませんが、Anthropicは物事をその方向に動かしたいと強く願っています」とAmodei氏は述べています。

AIがもたらす「破壊的イノベーション」の加速

Anthropicのような大手AI企業がより優れたモデルをリリースし続けることで、あらゆる業界の大企業のビジネスを破壊する大きなチャンスが開かれるとAmodei氏は考えています。

「私たちは、Claudeを使って臨床試験のレポートを作成するために、いくつかの製薬会社と協力しています。彼らは、臨床試験報告書の作成にかかる時間を12週間から3日間に短縮することができました」とAmodei氏は述べています。

「生物医学以外にも、法律、金融、保険、生産性、ソフトウェア、エネルギーなど、さまざまな分野があります。基本的に、AIアプリケーションの分野で破壊的イノベーションのルネッサンスが起こると考えています。私たちはそれを支援し、全面的にサポートしたいと考えています」とAmodei氏は締めくくっています。

(Via Tech Crunch.)