私たちの日常業務や学習において、情報収集と整理は多くの時間を要する作業です。最新のAIアシスタントであるClaudeが導入した新機能は、この課題に真正面から取り組み、私たちの仕事の進め方を大きく変えようとしています。

特に注目すべきは、ついに日本でもWeb検索機能が利用できるようになったことです！今回は、Claudeの最新機能「Research」、Web検索、そしてGoogle Workspace連携について解説します。

これらの機能がどのように私たちの作業効率を高め、より深い洞察を提供するのか、実用的な観点から探っていきたいと思います。

日本でもついに利用可能に！ClaudeのWeb検索とResearch機能

Anthropicは今年初め、「数分で何時間もの作業を実現する協力的なパートナー」としてのClaudeというビジョンを発表しました。このビジョンに沿って、Claudeが扱える情報量（コンテキスト）の拡大や、個人・仕事上の活動をサポートするための出力の種類も増やし続けています。

さらに、今回新たに「Research（リサーチ）」機能とGoogle Workspace連携も導入されました。これらの機能により、Claudeはインターネット上の情報や自分の仕事関連のデータにアクセスでき、より賢い協力者として私たちの意思決定や行動を迅速にサポートします。

Research機能：情報収集と分析を根本から変える

Claudeの新機能「Research」は、情報の検索と分析の方法を根本から変革するものです。従来のAIアシスタントと異なり、Claudeは複数の検索を連続して行い、次に調査すべき内容を自ら判断します。いわば「エージェント」として自律的に動作するのです。

Research機能の特徴は以下の点にあります：

• 質問に対して様々な角度から自動的に調査を進める
• 未解決の問題を体系的に追究する
• 確認しやすい引用付きの、詳細で信頼性の高い回答を提供する

最も重要な点は、Research機能が数分で質の高い包括的な回答を提供できることです。これにより、日々の業務で必要となる複数の調査タスクを現実的な時間内で完了できるようになります。この「速さ」と「質」のバランスこそがResearch機能の最大の強みと言えるでしょう。

Google Workspace連携：仕事の文脈をより深く理解

Google Docsに加えて、ClaudeはGmailとCalendarとも連携できるようになりました。これにより、あなたの仕事の文脈をより深く理解できるようになります。

Google Workspaceと連携することで、Claudeはメール、ドキュメント、予定表を安全に検索できるため、ファイルを手動でアップロードしたり、仕事や予定について繰り返し説明したりする必要がなくなります。

例えば、先週の会議のノートをまとめたり、フォローアップメールからアクションアイテムを特定したり、関連ドキュメントから追加の情報を検索したりするようClaudeに依頼できます。

Claudeはこれらの情報を直接あなたに提供し、情報収集ではなく戦略的な計画立案に集中できるようにします。また、Claudeはインライン引用を提供するため、情報源を確認でき、最新の情報に基づいていることを確認できます。

ResearchとGoogle Workspaceの実用例

これらの新機能を組み合わせることで、様々な場面での作業効率が大幅に向上します。いくつかの具体例を見てみましょう：

マーケティングチームの活用法

マーケティングチームは製品発売の準備をより迅速に進められます。ClaudeはWebから競合情報を収集しながら、関連する製品仕様、ポジショニング、戦略文書から情報を取り出し、包括的な発売計画を作成します。これにより、市場投入までの準備時間を大幅に短縮できます。

営業チームの活用法

営業チームはクライアントミーティングの準備をより効率的に行えます。Claudeは過去のやり取り、カレンダーの招待状と会議メモ、見込み客の会社に関する最新情報を検索して、詳細なブリーフィング資料を作成します。これにより、顧客との打ち合わせ前の準備時間が短縮され、より充実した提案ができるようになります。

エンジニアの活用法

エンジニアは既存システムと統合する技術ソリューションを作成する際、Claudeを活用できます。設計文書やシステム仕様書を、外部APIドキュメント、実装パターン、セキュリティのベストプラクティスと併せて分析してもらうことで、より迅速かつ正確な開発が可能になります。

大学生の学習支援

大学生は新しいトピックを学ぶ際、Claudeを活用して学習教材や過去の講義ノートを分析しながら、最新の学術研究、対話型学習リソース、専門家の説明を検索し、個別の学習計画を作成できます。これにより、効率的な学習と理解の深化が可能になります。

子育て世帯の活用法

子どもがいる家庭では、家族の予定管理を効率化できます。Claudeはメールやカレンダーイベントをスキャンして重要な予定を強調表示し、同時に学校の最新カレンダー、地域の子ども向けイベント、家族の計画に影響する可能性のある天気予報などをWebから検索します。

例えば、「今週の子どもの学校行事と部活の予定をまとめて、週末の家族のお出かけに良さそうな場所も調べて」といった依頼が可能です。これにより、忙しい子育て世帯の予定調整がスムーズになります。

Google Docsのカタログ化機能

ResearchとGoogle Workspace連携に加えて、Claude Enterprise管理者はカタログ化機能を有効にして検索の品質と精度を向上させることができます。カタログ化が有効になると、Claudeは組織のドキュメントの特殊なインデックスを活用して必要な情報を見つけます。これは長文のドキュメントや複数のファイルに散在する情報でも有効です。

この技術は、安全な検索強化生成技術を使用しており、正確なファイルを指定しなくても、ドキュメント全体を検索できるようになります。企業グレードのセキュリティで組織の知識の機密性を維持しながら、正確な回答を提供します。

Web検索と今後の展開

これはClaudeをさらに優れた協力者にするための更新の始まりに過ぎません。今後数週間で、利用可能なコンテンツソースの範囲とより深い調査を行う能力が拡大される予定です。

特筆すべきは、3月に米国で公開されたWeb検索が、今回ついに日本でも正式に利用可能になったことです。これにより日本のユーザーもインターネット上の最新情報をClaudeを通じて取得できるようになりました。

日本とブラジルの有料プランユーザーには、この機能が自動的に有効化されています。Claude for Work管理者は、組織の設定でWeb検索を有効にする必要があります。

さらに、Research機能は現在、米国、日本、ブラジルのMaxプラン、Teamプラン、Enterpriseプランで初期ベータ版として利用可能です。チャット内のResearch設定をオンにするだけで利用できます。

Google Workspace連携は、すべての有料ユーザーが設定内でベータ版として利用できます。TeamおよびEnterpriseプランの管理者は、個々のユーザーがアカウントを接続する前に、ドメイン全体でGoogle Workspaceアクセスを有効にする必要があります。Claude Enterpriseプランの管理者は、組織全体でGoogle Docsのカタログ化を有効にできます。

(Via Anthropic.)