iPhoneの衛星メッセージング機能が真価を発揮、ノースカロライナ州の洪水被害で多くの命を救う
ハリケーン被害で孤立した地域でも、iPhoneの衛星通信機能が活躍
大型ハリケーン「ヘレン」がアメリカ南東部を襲い、100人以上の死者が出るなど甚大な被害をもたらしました。
道路の崩壊や停電、携帯電話の不通により、いまだに孤立状態にある地域も少なくありません。しかし、iOS 18で利用可能になったiPhoneの新しい衛星通信機能のおかげで、被災地の人々が連絡を取り、支援を受けることができています。
写真家のマット・ヴァン・スウォル氏はX(旧Twitter)で、ノースカロライナ州アッシュビルの住民が「衛星通信機能を使ってメッセージを送受信することができている」と報告しました。
I’ve never been more thankful to be an iPhone user.
Due to the lack of cell service, EVERYONE in Asheville NC right now on iOS 18 has been able to get messages out and in with the Satellite messaging feature.
This is literally saving lives @Apple. pic.twitter.com/k0FOIgKlRk
— Matt Van Swol (@matt_vanswol) September 30, 2024
「これは文字通り命を救っている」と彼は述べています。衛星通信を利用するには、ある程度の高度のある場所に移動する必要があるものの、ヴァン・スウォル氏によると、接続できる確率は50%程度とのことです。それでも、全く連絡が取れないよりははるかに良いでしょう。
別のXユーザーも同様の体験を共有しています。「道路の先にある実家で停電とインターネットが不通になったとき、衛星通信で位置情報を取得することができました。少なくとも、安心感を得ることができました」
yup! when the power and internet went out at our family's house up there, we were able to get location pings from satellite. at least gave us some peace of mind.
— chris (@cgfromnc) September 30, 2024
iOS 18の新機能:衛星経由でのメッセージ送信
iOS 18では、数年前にiPhone 14で導入された「緊急SOS via Satellite」機能に加えて、新たに3つの衛星通信機能が追加されました。
- 衛星経由でのメッセージ: 携帯電話やWi-Fiの圏外にいる場合でも、メッセージアプリから直接友人や家族にメッセージを送信できます。圏外に出ると、メッセージアプリからすぐに最寄りの衛星に接続するように促され、衛星経由でメッセージを送信できます。
- 衛星経由のiMessage: 衛星経由で、エンドツーエンドで暗号化されたテキスト、絵文字、Tapback、iMessageの返信を送信できます。
- 衛星経由のSMS: iPhoneを使っていない友人や家族と、衛星経由でSMSで連絡を取ることができます。
Dynamic Islandでの衛星接続表示: Dynamic Islandのライブアクティビティで、常に衛星に接続されているかどうかを確認できます。接続が切断された場合でも、Dynamic Islandが再接続を支援します。
これらの機能は、アメリカとカナダで有効な携帯電話プランに加入し、iPhone 14以降の機種を使用しているユーザーが利用できます。
Appleもハリケーン被害への支援を表明
AppleのCEOであるTim Cook氏も、ハリケーン「ヘレン」についてツイートし、Appleが被災地への救援活動に寄付を行うことを発表しました。
We’re thinking of all those facing the catastrophic aftermath of Hurricane Helene. Apple will be making a donation to help with relief efforts on the ground.
— Tim Cook (@tim_cook) September 30, 2024
まとめ
日本では、7月30日のiOS 17.6アップデートでやっと衛星経由での緊急SOSの利用が可能になりました。今回のノースカロライナ州での活用事例は、衛星メッセージング機能の重要性を如実に示しています。
能登半島地震や、先日の輪島地方の豪雨で孤立した状況になった様な災害時、衛星メッセージング機能が利用できれば、どれだけ多くの方が安心できたか、日本でも早期に衛星メッセージング機能が利用できるようになって欲しいものです。
しかし、この機能の重要性は災害時に限りません。例えば、以下のようなシーンでも活用が期待できます:
- 山岳地帯でのハイキングやキャンプ
- 海上での航海やフィッシング
- 辺境地での探検や調査活動
- 携帯電話の電波が届かない田舎での生活
つまり、この機能は「非常時のための機能」というだけでなく、私たちの活動範囲を大きく広げる可能性を秘めているのです。
今後、この技術がさらに進化し、より多くのデバイスや地域で利用可能になれば、私たちの生活や社会のあり方さえも変える可能性があります。
iPhoneの衛星メッセージング機能は、単なる新機能の一つではありません。それは、私たちの安全と自由を大きく拡張する可能性を秘めた、革新的な技術なのです。
今回のノースカロライナ州での活用事例は、この技術が持つ潜在的な価値を明確に示しています。災害時の命綱として、また日常生活での新たな可能性として、この技術は私たちの生活に大きな変革をもたらす可能性があります。
私たち一人一人が、この新しい技術の可能性と限界を正しく理解し、適切に活用していくことが重要です。そうすることで、より安全で、より自由な社会の実現に近づけるのではないでしょうか。
(Via BGR.)
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