2023年、日本のスマートフォンの総出荷数が最低記録を更新、iPhoneはシェア増の約51.4%で12年連続トップ

2023年、日本のスマートフォンの総出荷数が最低記録を更新、iPhoneはシェア増の約51.4%で12年連続トップ

概況:出荷台数の減少と技術の進化

ICT市場調査コンサルティングのMM総研は、2023年(1~12月)の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、その結果を発表しています。

2007年、スマートフォンの世界に足を踏み入れて以来、2023年は日本の携帯電話出荷台数が初めて3,000万台を下回る、過去最少を記録しました。

この年の総出荷台数は約2801.3万台で、前年と比較して16.9%の減少を見せました。スマートフォンのみに注目すると、出荷台数は2628.6万台で、これは17.0%の減少を意味し、2012年以来の最低記録です。

特に注目すべきは、5G対応スマートフォンが全出荷台数の99.0%を占め、ミリ波対応は5.2%に留まったことです。

技術革新:5Gの普及とミリ波への道

2023年は、5G技術がほぼ全ての新出荷スマートフォンに搭載され、市場への浸透が一層進んだ年と言えます。しかし、ミリ波対応端末の普及はまだ限定的であり、日本で販売される主要ブランドの多くがミリ波をサポートしていないことが一因です。この背景には、ミリ波技術の高コストや現在の通信インフラの制限があります。

市場のリーダー:Appleの支配力

Appleは2023年も日本のスマートフォン市場でトップの座を維持し、12年連続で最も多くの出荷台数を誇りました。

同社のシェアは前年比でさらに増加し、全体の出荷台数の約51.4%を占めました。これは、新型iPhoneの豊富な在庫と、日本市場への優先的な供給が貢献したと分析されます。

今後の課題:ミリ波対応端末と高価格端末の普及

2023年のスマートフォン市場は、出荷台数の減少と共に、高機能な端末への需要の低下が見られました。

これは、端末の品質向上や耐久性の向上により、消費者が買い替えを控える傾向にあることが原因です。また、電気通信事業法の改正による端末割引の規制強化は、特に高価格帯端末の販売に影響を与える可能性があります。ミリ波対応端末の普及を促進するためには、今後の政策や市場戦略の再考が必要となるでしょう。

このように、日本の携帯電話市場は、技術的な進化と市場動向の変化の中で、新たな局面を迎えています。今後、業界はこれらの課題にどのように対応していくのか、注目が集まります。

(Via MM総研.)


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