Appleは中国への依存を徐々に減らし、サプライヤーを多様化させている

Appleは中国への依存を徐々に減らし、サプライヤーを多様化させている

遅ればせながら、Appleは中国中心のサプライチェーンに内在する地政学的リスクを認識しているようで、徐々に生産拠点を中国から移しています

Loup Fundsによると

米中関係は過去5年間、悪化の一途をたどって来ました、この間、Appleは中国が課す技術貿易関税や厳格なパンデミックプロトコルをうまく乗り切ってきました、そうした逆風にもかかわらず、Appleの収益は(18-19年度)平均7%から(20-22年度)16%へと伸びています

サプライチェーンの多様化をそつなくこなす企業があるとすれば、それはAppleです

米中関係がアップルのビジネスに与える影響

Appleのサプライヤーの多様化への取り組みのスピードを測るため、同社の製造・製品への直接支出の98%を把握する「2021年サプライヤーリスト」(2021年10月発表)を確認しました

2021年には、Apple全体の売上高の52~55%が中国製となり、2020年の60~62%から減少すると推測されます

2022年には、この数字は45~50%台への減少を示すと予想しており、注目すべきは、2021年に追加される150の新しい製造拠点のうち、79%が中国本土以外の拠点であると言われていることです

これらはささやかなサプライチェーンの変化であるように見えますが、中国に拠点を置く製造業の収益が非常に大きいことを考えると、これは速いペースだと考えられます

Appleの中国での生産と需要の動き

生産

Appleの製品部門の売上が全体の売上(報告数)の80%を占めています、このセグメントの中で、2021年のサプライヤーリストに基づくと、2021年度の収益の65〜70%は中国製の製品によるものと推測されます、言い換えれば、Appleの2021年度全体の52-55%が中国製であると推測されます

場所

サプライヤーのデータを別の角度から検証し、サプライヤーの場所に注目しました

所在地に占める中国の割合は、2020年の39%から2021年には35%に減少します、一方、米国の拠点は同時期の9%から11%に増加しています

2021年の新規拠点150カ所のうち、79%は中国本土以外を拠点としています、それ以外では、米国内(24)、台湾(16)、シンガポール(9)、ベトナム(8)、マレーシア(8)、韓国(7)です

需要

需要面では、Appleの2022年度の売上高の19%が中華圏からのものです、大中華圏の売上の70%は中国本土からのものであり、2022年度全体の売上の13%程度を占めると推測さます

2021年度でも中国本土の売上は全体の13%と推定されます
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同社は、中国への依存度を下げるための移行期に入っており、その実現には10年程度の時間がかかると思わます

国別のサプライヤー拠点の一覧

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全体として、Appleが報告したサプライヤー数は、2020年の572社から2021年には722社に増加しています

(Via Loup Funds.)


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