AppleがLiquid Glassデザインとして大々的に発表したこの新しいインターフェース、「革命的」という言葉が飛び交っていましたが、実際に使ってみるとどうなのでしょうか?
Apple InsiderにWilliam Gallagher氏が、macOS Tahoeの最新ベータ版を試してみた記事が掲載されています:
3日間じっくり使い込んだ結果、確かに見た目の変化は控えめですが、毎日の作業効率には思った以上の影響がありました。今回は、その体験を詳しくお話しします。
一見地味だけど、慣れると手放せない変化
正直に言うと、最初にmacOS Tahoeを起動したとき「あれ、思ったより変わってない?」と感じました。Appleの発表を見た時のインパクトほど劇的な変化は感じられなかったのです。
でも、これまで30年近くMacを使ってきた経験から言えることがあります。本当に良いデザインというのは、最初はそれほど目立たなくても、使っているうちにジワジワと効いてくるものなのです。
Liquid Glassデザインも、まさにそのパターンでした。使い始めて2日目あたりから「あ、これ便利だな」と感じる瞬間が増えてきたのです。
ついにMacにも来た!待望のクリップボード履歴機能
個人的に一番嬉しかった変化は、クリップボード履歴機能の追加です。これまでMacには標準でクリップボード履歴がなくて、サードパーティのアプリに頼るしかありませんでした。
実は私も長年「ClipboardManager」というアプリを使っていたのですが、たまに動作が不安定になることがあって困っていたのです。それが今回、ついにApple純正の機能として搭載されました。
使い方は簡単です。いつものようにCommand+Spaceを押してSpotlightを呼び出すと、新しいオプションが表示されます。見た目にもLiquid Glassの透明感のあるデザインで、機能の存在がすぐに分かるようになっています。
昨日も資料作成で、過去にコピーしたURLを3つほど連続で使う場面がありました。以前なら同じページを何度も開き直していましたが、今は履歴から簡単に選択できるので、作業時間が大幅に短縮されました。
地図アプリの進化が想像以上に便利
Apple マップの新しいインターフェースも、使ってみて驚きました。これまでは検索→クリック→ポップアップと、ちょっと手間がかかっていましたが、新しいデザインでは作業の流れがとても自然になっています。
先週末、初めて行くカフェを探していた時のことです。左側の検索バーに店名を入力すると、自然に右側にもう一つのカラムが現れました。行き先と出発地を交互に設定していく感覚が、まるでプロ仕様のナビゲーションアプリのような印象でした。
実際に複数の候補地を比較しながらルートを調べる際も、以前のように「あれ、どこをクリックすればいいんだっけ?」と迷うことがなくなりました。
透明すぎて困る?読みやすさの課題
ただし、良いことばかりではありません。Liquid Glassデザインの最大の特徴である透明感は、時として読みやすさに問題を生じさせます。
昨日、明るい壁紙を設定した状態でメニューバーを操作していたところ、文字が背景に溶け込んでしまって読みにくい状況に遭遇しました。特に、コントラストの低い組み合わせでは、どのメニュー項目を選択しているのか分からなくなることがあります。
Dockを完全にガラス表示に設定した場合も同様です。アプリアイコンが透明になって、色や形での識別が難しくなりました。普段Visual Studio Codeのアイコンを青色で覚えていたのですが、透明になったことで一瞬どれがVSCodeなのか迷いました。
細かな改善が積み重なる使いやすさ
見た目の大きな変化以外にも、日常使いで嬉しい小さな改善がたくさんあります。
音量調整時の表示位置の変更は、地味ですが実用的でした。これまで画面中央下部に大きく表示されていた音量インジケーターが、右上の通知エリアに小さく表示されるようになったのです。
実は先月、画面録画中に誤って音量ボタンを押してしまい、録画をやり直す羽目になったことがありました。新しい位置なら、そんな心配もありません。通知も一箇所にまとまるので、情報の整理もしやすくなりました。
メニューバーのShortcutsが微妙に変わった話
面白い変化として、メニューバーのShortcutsアプリの動作が変わりました。以前はドロップダウンメニューでしたが、今は画面中央にダイアログボックスが表示されます。
各ショートカットの詳細情報(ステップ数など)が表示されるようになったのは良いのですが、正直そこまで有用な情報ではありません。むしろ、操作の一貫性という点では疑問を感じる部分もあります。
1時間使うと戻れなくなる不思議
AppleがLiquid Glassを「変革」と呼ぶのは少し大げさかもしれません。でも、一度慣れてしまうと、以前のmacOS Sequoiaが古く感じられるから不思議です。
昨日、別のMacでSequoiaを触った時、「あれ、なんか重たく感じる」と思いました。視覚的な重さというか、インターフェースに圧迫感を感じたのです。Liquid Glassの軽やかさに慣れてしまったせいでしょうか。
生産性への実際の影響
3日間使って感じた生産性への影響をまとめると、以下のような感じです:
**向上した点:**
- クリップボード履歴で作業効率が20%程度アップ
- 地図検索の操作がスムーズに
- 通知の整理がしやすくなった
- コンテンツに集中しやすい環境
**課題となる点:**
- 一部の色組み合わせで読みにくさを感じる
- Dockのアイコン識別に時間がかかる場合がある
- アプリ開発者の対応待ちで見た目が統一されていない
実際に試してみた感想とおすすめ設定
現在私が使っている設定は、完全に透明にするのではなく、適度な透明度を保った状態です。メニューバーは半透明のまま、Dockは通常のアイコン表示を維持しています。
この設定だと、新しいデザインの恩恵を受けながら、実用性も確保できています。特に仕事で使う場合は、読みやすさを優先したほうが良いと感じました。
地味だけど確実に進歩している
Liquid Glassデザインは、確かに革命的な変化ではありません。でも、日々の作業を少しずつ改善してくれる、そんな地に足のついた進歩だと思います。
特にクリップボード履歴機能は、一度使うと手放せなくなる便利さがあります。まだベータ版なので読みやすさの問題はありますが、正式版までには改善されることを期待しています。
もしmacOS Tahoeのベータ版を試すかどうか迷っている方がいれば、「大きな変化はないけれど、確実に使いやすくなっている」とお伝えしたいと思います。
**次にやってみること:**
macOS Tahoeを体験してみたい方は、まずApple Developer Programに登録してベータ版をダウンロードしてみてください。ただし、メインのMacではなく、サブマシンでの試用をおすすめします。
まとめ
まだ最初のベータ版なので、「一部の色組み合わせで読みにくさを感じる」などは修正が今後期待されますね。
秋の正式版のリリースが、ワクワクしながら待ち遠しいですね。
(Via Apple Insider.)
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