iPadはMacに近づいた?Apple幹部が語るマルチタスク進化の裏側

iPadはMacに近づいた?Apple幹部が語るマルチタスク進化の裏側

「iPad でもっと本格的な作業ができたらいいのに」と思ったことはありませんか?

そんなあなたに朗報です。Apple がついに iPad に Mac のようなマルチタスキング機能を搭載すると発表しました。この記事を読めば、新機能の詳細と、なぜこれまで実現されなかったのかがすぐに理解できます。

そして、あなたの iPad 活用法が大きく変わる可能性について、このあと詳しく解説していきます。

Apple が認めた「みんなが待っていた機能」

今年の WWDC で、Apple のソフトウェア担当上級副社長 Craig Federighi 氏は、新しい iPad マルチタスキング機能を軽いユーモアを交えて紹介しました。


「うわー、複数のウィンドウに、より尖ったポインター、そしてメニューバー?誰が思いついたんでしょう?私たちは本当に革新的なリリースをやり遂げました!」

この皮肉めいたコメントには深い意味があります。実は Apple は長年、開発者やプロユーザーから「iPad をもっとコンピューターらしく使えるようにして」という要望を受け続けてきました。

そして 15 年という長い時を経て、ついにその声に応える形で Mac のようなマルチタスキング機能を搭載することになったのです。
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なぜこんなに時間がかかったのか?

「そんな当たり前の機能、なぜもっと早く作らなかったの?」と思う人も多いでしょう。実は、技術的な制約が大きな壁となっていました。

初期の iPad は実質「大きな iPhone」だった

初代 iPad が登場した 15 年前、ハードウェアの性能は今とは比べものになりませんでした。メモリも少なく、処理能力も限られていたため、複数のアプリを同時に快適に動かすことは不可能だったのです。

Federighi氏 は次のように説明しています:

「iPad は直接画面に触れて操作するデバイスです。画面をタッチして何かを動かしたとき、必ず反応しなければならない。そうでなければ、デバイスとの約束が破られてしまいます」

Mac ユーザーは多少の遅延があっても我慢できますが、iPad では完璧な応答性が求められます。当時の iPad では、無制限にウィンドウを開いて完璧に動作させることは技術的に不可能でした。

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Stage Manager の失敗から学んだこと

Apple は実は一度、iPad でウィンドウ式のマルチタスキングに挑戦したことがあります。それが 2022 年に登場した「Stage Manager」でした。

しかし、この機能には大きな問題がありました。

高性能 iPad でしか使えなかった

Stage Manager は新しい高性能モデルでしか利用できませんでした。古いモデルや安価なモデルのユーザーは、従来の制限された機能しか使えなかったのです。

「私たちは一貫した体験を提供したかった」と Federighi 氏は振り返ります。「内蔵ディスプレイで 4 つのアプリ、外部ディスプレイでさらに 4 つのアプリ、合計 8 つのアプリが同時に動作する。それが Stage Manager の基準でした」

この高い基準が、対応機種を大きく制限する結果となってしまいました。

新システムは幅広い機種で利用可能

今回の新しいマルチタスキングシステムでは、Apple はアプローチを変更しました。

「今回は、可能な限り多くのデバイスで利用できるようにしました」と Federighi 氏は説明します。「古いハードウェアでは多少の制限があっても、より多くの人に使ってもらえることを優先しました」

iPad は iPad のまま

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新機能により iPad は Mac により近づきましたが、Apple は両者を完全に同じにするつもりはありません。

「iPad と Mac が歩み寄る中で、ウィンドウの閉じるボタンや最大化ボタンの位置、色など、意味のあるところでは統一されたデザインを採用しています」と Federighi 氏は語ります。

「しかし、意味がないところでは、iPad は iPad のままです」

これは何を意味するのでしょうか?iPad にはまだ制限があり、完全に Mac の代替品にはならないということです。

例えば、バックグラウンドで動作するアプリには制限があり、動画の書き出しやファイル転送のような明確な終了点がある作業のみが許可されます。

今日から試せる活用のコツ

新機能の詳細はまだ明らかになっていませんが、現在の iPad でも作業効率を上げる方法があります:

Split View や Slide Over 機能を使って、メモアプリとブラウザを同時に表示しながら情報収集をしてみましょう。これだけでも作業効率が大きく向上します。

また、外部キーボードを使用している場合は、Command + Tab でアプリを素早く切り替える習慣をつけると、新機能が登場したときにもすぐに慣れることができるでしょう。

まとめ

iPad の新しいマルチタスキング機能は、15 年間の技術的進歩とユーザーの声が結実した画期的なアップデートです。
完全に Mac と同じではありませんが、iPad の可能性を大きく広げる機能として期待できます。

この記事を読んだら、今日から iPad の Split View 機能を使って、より効率的な作業スタイルを試してみましょう。
新機能が登場するころには、あなたはすでにマルチタスキングの達人になっているはずです。

(Via Ars Technica.)


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