Appleが2025年に自社製ネットワークチップ搭載のApple TVとHomePod miniをリリース予定
Appleが新たな技術革新の一歩を踏み出そうとしています。BloombergのMark Gurman氏の報道によると、Appleは2025年にBroadcomの複合BluetoothおよびWi-Fiチップを自社開発のソリューションに置き換える計画を進めているとのことです。
この動きは、同社のシリコン独立性への取り組みにおける重要な転換点となりそうです。
NEW: Apple is nearing a switch to its own in-house combined WiFi + Bluetooth chip in a separate move from its own cellular modems. The chip will tie into a new Apple TV and HomePod mini coming in 2025, plus the iPhone 17. iPads and Macs by 2026. https://t.co/kyUzXTthgE
— Mark Gurman (@markgurman) December 12, 2024
「Proxima」が示すAppleの野心的な戦略
Appleが開発中の新しいネットワークチップは社内で「Proxima」というコードネームで呼ばれています。このチップの開発は数年前から進められており、サードパーティのサプライヤーへの依存度を低減するというAppleの長期的な戦略の一環として位置づけられています。
製造はTSMCが担当することになっており、これまでのチップ開発におけるパートナーシップが継続されることになります。TSMCとAppleの協力関係は、すでにM1やM2などのプロセッサで成功を収めており、この実績が新しいネットワークチップの開発にも活かされることが期待されています。
スマートホームデバイスからはじまる実装計画
新チップの展開は、まず2025年にリリース予定の新型Apple TVとHomePod miniから開始される予定です。これらのデバイスは、Appleのスマートホーム戦略における重要な位置づけにあり、自社製チップの採用によって以下のような利点が期待されます:
- デバイス間の連携強化
- 電力効率の向上
- データ同期の高速化
- セキュリティの強化
その後、同年中にiPhoneへの搭載が計画されており、2026年にはiPadとMacにも展開される見込みです。
より広範な技術革新への布石
この新しいネットワークチップの開発は、単なる部品の自社製化以上の意味を持っています。同社は2025年に向けて、AI搭載のホームハブデバイスや独立型セキュリティカメラなど、より包括的なスマートホーム戦略を描いているとされています。
特に注目すべきは、BroadcomとAppleが共同開発している AI処理用のサーバーチップです。これは2026年までにリリースが予定されているChatGPTのような会話型AIを搭載したSiriの実現に向けた重要な要素となる可能性があります。
技術仕様と期待される性能
新チップの技術仕様について、現時点で明らかになっている主な特徴は以下の通りです:
- Wi-Fi 6E規格のサポート
- 高帯域幅の実現
- より高速な通信速度の提供
- Qualcommモデムとの連携を前提とした設計
業界への影響と今後の展望
この動きは、単にAppleの製品開発における一歩というだけでなく、半導体業界全体に大きな影響を与える可能性があります。Broadcomは無線通信コンポーネントにおける業界のリーダーとして知られており、Appleが自社製チップでこの領域に参入することは、市場構造に大きな変化をもたらす可能性があります。
また、この技術革新は以下のような分野への波及効果も期待されています:
- スマートホームテクノロジーの進化
- AIと連携したデバイス間通信の高度化
- エネルギー効率の最適化
- セキュリティ強化
特に、AIを活用したスマートホームシステムの発展において、高速で安定した通信は不可欠な要素となります。Appleの新チップは、この要求に応える重要な技術基盤となることが期待されています。
まとめ
2025年のApple TVとHomePod miniへの搭載を皮切りに、順次主要製品への展開が計画されており、これによってAppleのエコシステムはより一層統合された形で進化していくことが予想されます。
(Via Bloomberg.)
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