Apple2025年第2四半期決算:期待を上回る好調な業績と配当増加のお知らせ

Appleが2025年第2四半期(3月29日終了)の決算を発表しました。
ウォール街の予想を上回る好調な業績を記録し、サービス部門の二桁成長や配当金の増加など、投資家にとって嬉しいニュースが満載です。
今回は、Appleの最新決算の内容と、その背景にある戦略について、わかりやすく解説します。
Apple第2四半期決算の概要
Appleの2025年第2四半期の業績は非常に好調でした。売上高は前年同期比5%増の954億ドル(約14兆3100億円)、1株あたり利益(EPS)は8%増の1.65ドル(約248円)を記録しました。これらの数字はウォール街のアナリストたちの予想を上回るものでした。
AppleのCEOであるTim Cook 氏は「今日Appleは力強い四半期業績を報告しており、サービス部門では二桁の成長を達成しました」とコメントしています。また「iPhone 16eを製品ラインナップに加え、Apple siliconの優れた性能を活かした強力な新型MacとiPadを発表できたことを嬉しく思います」と述べ、新製品の好調な立ち上がりを強調しました。

さらに、環境への取り組みについても「過去10年間で炭素排出量を60%削減したことを発表できたことを誇りに思います」と語り、Appleのサステナビリティへの取り組みにも触れています。
💡 ポイント
売上高:953億5,900万ドル(予想946億2,000万ドル)
1株当たり利益:1.65ドル(予想1.62ドル)
製品カテゴリー別の売上状況
Appleの売上は大きく分けて「製品」と「サービス」の二つのカテゴリーに分かれています。今回の決算では、両方のカテゴリーでおおむね好調な結果となりました。
製品カテゴリーの売上
製品カテゴリー全体の売上高は687億1400万ドル(約10兆3100億円)で、アナリスト予想の678億4000万ドルを上回りました。中でも、Appleの主力製品であるiPhoneの売上は468億4100万ドル(約7兆円)と、予想の458億2000万ドルを大きく上回る結果となりました。
また、Macの売上高は79億4900万ドル(約1兆1900億円)、iPadの売上高は64億200万ドル(約9600億円)と、どちらもアナリスト予想を上回る好調な結果でした。これは、Apple siliconを搭載した新しいMacやiPadの人気を示す結果と言えるでしょう。
ただし、ウェアラブル、ホーム、アクセサリー部門の売上高は75億2200万ドル(約1兆1300億円)と、アナリスト予想の80億5000万ドルを下回る結果となりました。この部門にはApple Watch、AirPods、HomePodなどの製品が含まれています。
サービス部門の成長
Appleのサービス部門の売上高は266億4500万ドル(約4兆円)で、アナリスト予想の267億2000万ドルとほぼ同水準でした。Tim Cook 氏が「二桁成長」と強調したように、サービス部門は引き続きAppleの成長を牽引する重要な存在となっています。
サービス部門にはApp Store、Apple Music、Apple TV+、iCloud、Apple Arcadeなどが含まれており、継続的な収益源としてAppleのビジネスモデルの重要な柱となっています。
💡 ポイント
製品売上高:687億1,400万ドル(予想678億4,000万ドル)
– iPhone売上高:468億4,100万ドル(予想458億2,000万ドル)
– Mac売上高:79億4,900万ドル(予想77億7,000万ドル)
– iPad売上高:64億200万ドル(予想61億5,000万ドル)
– ウェアラブル、ホーム、アクセサリー:75億2,200万ドル(予想80億5,000万ドル)
– サービス売上高:266億4,500万ドル(予想267億2,000万ドル)
地域別の売上状況
Appleの業績を地域別に見ると、中国市場での売上が注目されます。グレーター・チャイナ(中国本土、香港、台湾を含む)での売上高は160億200万ドル(約2兆4000億円)で、アナリスト予想の168億3000万ドルを下回りました。
中国市場は世界第二の経済大国であり、Appleにとって非常に重要な市場です。しかし、地元メーカーとの競争が激化していることや、中国経済の減速が影響している可能性があります。
株主還元策の強化
Appleの最高財務責任者(CFO)であるKevan Parekh 氏は「3月四半期の業績により、EPSは8%成長し、営業キャッシュフローは240億ドルとなり、290億ドルを株主に還元することができました」と述べています。
また、Appleの取締役会は1株当たり0.26ドル(約39円)の配当金を発表しました。これは前回から4%の増加となります。配当金は2025年5月15日に支払われる予定です。
さらに、取締役会は最大1000億ドル(約15兆円)の自社株買いプログラムも承認しました。これらの株主還元策は、Appleが潤沢なキャッシュフローを生み出し続けていることを示すものと言えるでしょう。
💡 ポイント
中華圏の売上高:160億200万ドル(推定168億3000万ドル)
営業キャッシュフロー:295億8900万ドル(推定325億9000万ドル)
総営業費用:152億6800万ドル
(推定151億7000万ドル)粗利益:448億6700万ドル(推定445億8000万ドル)
現金および現金同等物:281億6200万ドル(推定327億3000万ドル)
売上原価:504億9200万ドル(推定502億3000万ドル)
流動資産合計:1186億7400万ドル(推定1382億9000万ドル)
流動負債合計:1445億7100万ドル(推定1329億9000万ドル)
Appleの成長戦略と将来展望
Appleは今回の決算発表で、すべての製品カテゴリーと地域セグメントにおいて、アクティブなデバイスのインストールベース(使用中の端末数)が過去最高を記録したと報告しています。これは、Appleの製品とサービスに対する顧客の高い忠誠心と満足度を示すものです。
Appleのビジネスモデルは、ハードウェアの販売だけでなく、そのデバイスを通じて提供するサービスの収益も重視する方向にシフトしています。今回の決算でも、サービス部門の成長が強調されており、この傾向は今後も続くと予想されます。
また、新しいMacやiPadの発売、iPhone 16eの追加など、製品ラインナップの強化も進めています。Apple siliconの採用により、パフォーマンスと電力効率の両面で競争優位性を確立しており、この技術的優位性を活かした新製品の展開が期待されます。
さらに、環境問題への取り組みも強化しており、過去10年間で炭素排出量を60%削減したと発表しています。このような環境への配慮は、消費者のブランド選択において重要な要素となりつつあり、Appleのブランド価値向上にも寄与するでしょう。
まとめ
主力製品であるiPhoneの売上が好調であったことに加え、MacやiPadも予想を上回る売上を記録。
サービス部門も引き続き二桁成長を達成するなど、バランスの取れた成長を示しています。
一方で、ウェアラブル部門の不振や中国市場での課題など、いくつかの懸念材料も見られました。
しかし、配当金の増加や大規模な自社株買いプログラムの承認など、株主還元策を強化する姿勢を示しており、投資家にとってはポジティブなメッセージと言えるでしょう。
Appleのような大企業の決算は、単にその企業の業績を示すだけでなく、テクノロジー業界全体の動向や消費者の消費行動を映し出す鏡でもあります。
(Via Apple.)
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