AppleがWWDCで発表したSiriの新機能

Worldwide Developer Conference (WWDC)で、AppleはSiriの大幅なアップグレードを発表しました。その中でも特に注目すべきは、以下の3つの機能です。

1. Personal Context Understanding（パーソナルコンテキストの理解）

Apple Intelligenceによるオンデバイスのセマンティックインデックスを活用することで、Siriはメール、メッセージ、写真、カレンダーイベント、ファイルなどを理解できるようになります。これにより、ユーザーはより個人的な質問をSiriに投げかけることができます。

＊セマンティックインデックス：文書やデータの意味を解析し、ユーザーのクエリに対してより適切な応答を生成するために使用されます。これにより、単なるキーワードの一致ではなく、文脈に基づいた情報の提供が可能になります。

例えば、「Jamieが勧めてくれた映画は何だったっけ？」と尋ねると、Siriは先週のメッセージを掘り起こして回答します。また、フォームに記入する際に「パスポート番号を追加して」と言えば、Siriは保存されたパスポートの写真から番号を抽出して入力します。

2. Onscreen Awareness（画面認識）

Siriは画面に表示されている内容を理解し、それに基づいてアクションを実行できるようになります。

例えば、友人が新しいコーヒーショップを勧めるテキストメッセージを送ってきた場合、「家からそこまで歩いてどれくらいかかる？」と尋ねるだけで、Siriはユーザーの意図を理解して回答します。

3. In-App Actions（アプリ内アクション）

Siriは、Apple製アプリだけでなく、サードパーティ製アプリでも数百もの新しいアクションを実行できるようになります。

例えば、写真を編集しているときに「この写真を暖かくして」と言うと、Siriは写真アプリを使って調整を行います。さらに、アプリをまたいだアクションも可能です。写真の編集が終わった後、「これをラタトゥイユのレシピノートに追加して」と言うと、Siriは写真アプリからシームレスに移行してタスクを完了します。

iOS 18.4での実装に遅れ？

しかし、BloombergのMark Gurman氏によると、ソフトウェアのバグにより、これらの機能のリリースが遅れるか、制限される可能性があるとのことです。

The company has been planning to introduce the technology as part of iOS 18.4, the version of its mobile operating system coming in April. But now Apple is considering delaying or limiting at least some of the overhaul until iOS 18.5, which will be released as early as May.

— Mark Gurman (@markgurman) February 14, 2025

当初、これらの新機能は4月にリリースされる予定のiOS 18.4の一部として導入される予定でした。しかし、Appleは少なくとも一部の機能のリリースを、早くても5月にリリースされるiOS 18.5まで延期することを検討していると、関係者は述べています。

Apple社内で新しいSiriをテストしている多くの従業員は、これらの機能がまだ安定して動作しないことが解っています。ソフトウェアの準備が整うまでの時間は、残りわずかです。iOS 18.4は4月まで一般公開されませんが、開発者向けのベータ版は早ければ来週にもデビューする予定です。

今後の展望

Appleは、これらのSiriのアップデートがいつiOS 18に搭載されるかについては、2025年という以上の情報を共有していません。技術的には、Appleは8月までこれらの機能をリリースすることができますが、6月にはiOS 19のベータ版がリリースされる予定です。

(Via x.com/@markgurman.)