AppleのMacBook向けバタフライキーボード修理プログラムがまもなく終了します

AppleのMacBook向けバタフライキーボード修理プログラムがまもなく終了します

バタフライキーボード: 欠点だらけの革命的デザイン

2015年3月に超薄型12インチMacBookでデビューしたAppleの革新的でありながら物議を醸したバタフライキーボードは、2000年代の大半を通じてMacBookのキーボードに使われていた伝統的なシザースイッチ機構からの大きな転換を示しました。

この新しいデザインは洗練されたコンパクトなデザインで、MacBookのスリムなプロフィールに完璧にフィットしましたが、問題がないわけではありませんでした。文字が繰り返し入力される、キーが反応しないなどの問題がすぐにユーザーから報告され、不満が広がりました。

深刻化する問題と消費者の反発

MacBook Proの大型モデルやMacBook Airにバタフライキーボードが採用されたことで、状況はさらに悪化し、キーのべたつきや反応の悪さに対する苦情が急増しました。

2018年5月までに、不満はAppleが欠陥のある製品を故意に販売したとして、米国で集団訴訟に発展しました。キーボードの問題を強調するオンライン署名には約4万3,000人の署名が集まり、消費者の不満の大きさが浮き彫りになりました。

Appleの対応 キーボード・サービス・プログラム

高まる圧力を受け、Appleは2018年6月、世界的な「MacBook、MacBook Air、MacBook Pro キーボード修理プログラム」を開始しました。このプログラムでは、MacBook、MacBook Air、MacBook Proの「ごく一部」のモデルで、文字が繰り返されたり、文字が表示されなかったり、キーの反応が一定しないなどの問題動作が発生する可能性があることを認めました。

Appleは、これらの問題を購入日から最大4年間無償で修正することを約束しました。しかしながら、この期間の終了が近づくにつれ、無償修理の対象となる機種は限定されてきています。

対象モデルと終了期限

この修理プログラムの対象モデルは、初期のMacBookデザインからMacBook Proと

  • MacBook Airの後期バージョンまで多岐にわたります。
  • MacBook (Retina, 12- inch, Early 2015)
  • MacBook (Retina, 12 -inch, Early 2016)
  • MacBook (Retina, 12- inch, 2017)
  • MacBook Air (Retina, 13-inch, 2018)
  • MacBook Air (Retina, 13-inch, 2019)
  • MacBook Pro (13 -inch, 2016, Two Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (13- inch, 2017, Two Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (13-inch, 2019, Two Thunderbolt 3 ports)
  • MacBook Pro (13- inch, 2016, Four Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (13- inch, 2017, Four Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (15- inch, 2016)
  • MacBook Pro (15- inch, 2017)
  • MacBook Pro (13-inch, 2018, Four Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (15- inch, 2018)
  • MacBook Pro (13-inch, 2019, Four Thunderbolt 3 Ports)

特筆すべきは、13インチMacBook Proの2019年モデルが最後に残った修理対象モデルの一つであり、その対象期間は、購入日に基づいて2024年11月まで延長される可能性があることです。

Appleの謝罪とバタフライスイッチからの脱却

2019年3月、Appleはバタフライキーボードによるトラブルについて謝罪し、”少数のユーザー “が直面した問題を認めました。

その後、Appleは2019年11月の16インチMacBook Proから、より信頼性の高いシザースイッチ機構に戻し、その後他のMacBookモデルにも拡大し、事実上バタフライキーボードの幕を閉じました。

法的和解と消費者への補償

バタフライキーボードの悲劇に特筆すべき結末として、Appleは2022年7月、米国の集団訴訟を解決するために5,000万ドルの和解に合意しました。この和解により、請求書の提出期限に間に合った影響を受けた顧客に対する補償が保証され、支払額は50ドルから395ドルの範囲となりました。

振り返ってみると、このバタフライキーボードは、革新性と信頼性のバランスにおける教訓となり、消費者の日常的なニーズを満たす最先端技術の設計に内在する複雑さを私たちに思い起こさせてくれます。

(Via MacRumors.)


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