Appleが次世代のMチップを超えた未来を見据えていることがわかりました。同社は現在、2027年のMacラインナップに向けて自社製セルラーモデムを内蔵した次々世代「M6」プロセッサの設計を進めています。この動きは、同社のハードウェア開発の野心的な計画を示すものとして注目されています。

次世代M5への移行とその先の展望

Appleは今年後半、MacBook Proラインナップを「M5」プロセッサにアップデートする計画を進めています。M5チップの詳細は6月に開催されるWWDC(世界開発者会議)で明らかになる見込みで、その後、他のMacモデルにもM5チップが順次搭載されていくことになるでしょう。

現在のMacBookモデルはワイヤレスインターネット接続のためにQualcomm製のWi-Fiチップに依存しています。AppleはこれらのコンポーネントについてのQualcommへの依存から可能な限り早く脱却する意向を明確にしていますが、一部の今後の製品ではまだそれらのチップを使用することになります。


今年予定されているM5搭載MacBook Proは、現行のケースデザインからの変更はなく、M5チップへのアップグレードが主な新機能となる見込みです。しかし、Bloombergの報道によると、Appleは2026年のMacBook Proアップデートについて大きな計画を持っているようです。

2026年モデル – MacBook Pro 20周年の大刷新

MacBook Proの20周年を迎える2026年モデルは、単なるM6チップへのアップグレード以上のものを提供すると予想されています。新しいケースデザインの採用も期待されており、より薄型のOLEDスクリーンへの移行も見込まれています。

内蔵セルラーモデムの搭載

これらの変更に加えて、Appleは2026年のMacBook Proにオンボードのセルラーモデムを統合する可能性が高いとされています。これは新しいiPhone 16eで使用されている自社製「C1」モデムチップをベースにしたものになるでしょう。

会社は、モデムあり・なしの両バージョンのMacBookモデルを提供する可能性もあり、モデムなしのオプションは低価格モデル向けになるかもしれません。また、内蔵モデムは将来のMacBook Airのアップグレードの一部にもなる可能性があります。

将来のMacBookモデルに内蔵モデムが搭載されれば、Wi-Fiが利用できない場合に携帯電話を使ってデータ接続をテザリングする必要がなくなります。内蔵セルラーモデムを搭載したMacBookモデルは、それ自体がホットスポットとして機能し、近くの他のデバイスに信号を提供することもできるようになるでしょう。

さらに、C1モデムはすでに衛星接続とGPS機能を組み込んでいるため、これらのモデムにもおそらくそういった機能が含まれることになるでしょう。通信事業者のセルラーデータプランも、将来のMacでユーザーが日常的にセルラーデータを使用することを促すために、データ制限を調整する必要が出てくるかもしれません。

AppleのSoC戦略とモデム技術の統合

Mac用のApple製セルラーモデムは、将来のAppleプロセッサにおいてSoC(System-on-Chip)パッケージの一部となる可能性があります。Appleのハードウェアテクノロジー担当上級副社長であるJohny Srouji氏は、C1モデムを「世代を超えたプラットフォームの基盤」と表現し、同社の技術を競合他社のものから「真に差別化する」ものになると述べています。

このような技術統合の動きは、Appleがハードウェアとソフトウェアの両方を自社で開発・制御することで実現できる強みを示しています。自社製チップへの移行は、単なるコスト削減だけでなく、パフォーマンスの最適化や新機能の実装においても大きなメリットをもたらすと考えられています。

M6チップがもたらす可能性

M6チップに内蔵モデムが搭載されることで、MacBookユーザーにとってどのような変化が期待できるでしょうか。まず、インターネット接続の選択肢が増えることで、場所を選ばない作業環境が実現します。カフェやコワーキングスペースのWi-Fiに頼ることなく、どこでも安定した接続が確保できるようになるでしょう。

また、GPSや衛星接続機能が統合されれば、現在はiPhoneやiPadでしか利用できないような位置情報ベースのサービスやアプリケーションがMacでも使えるようになる可能性があります。これはクリエイティブワークや屋外での作業において新たな可能性を開くものと期待されています。

しかし、こうした機能追加はバッテリー消費の増加というトレードオフも生じる可能性があります。Appleがどのようにこの課題に対処するのか、電力効率のさらなる向上や、より大容量のバッテリーの採用なども検討されているのかもしれません。

Appleのチップ開発ロードマップ

Appleは2020年にIntel製チップからの移行を開始して以来、着実にMシリーズチップの性能と機能を向上させてきました。M1からM2、M3、そして今年予定されているM5(M4は諸事情により番号がスキップされた可能性があります)へと続く開発の流れは、同社が半導体設計においても主導権を握ろうとしていることを示しています。

M6チップの開発が始まっているという情報は、Appleが長期的な視点でチップ設計を行っていることを示唆しています。通常、新しいチップの設計から量産まで数年を要することを考えると、2027年の導入を目指しているM6チップの設計が現在進行中であることは理にかなっています。

業界への影響と競合状況

AppleがQualcommからの独立を進めることは、モバイルチップ業界にも大きな影響を与える可能性があります。Qualcommは長年、スマートフォンやタブレット向けのモデムチップ市場でリーダー的な存在でしたが、主要顧客であるAppleが自社製チップへと移行することで、市場構造の変化が予想されます。

また、ChromebookなどのArm系プロセッサを採用したPCも増えてきており、内蔵モデム機能を持つM6チップの登場は、PCとモバイルデバイスの境界をさらに曖昧にすることになるでしょう。Microsoftも同様の動きを見せており、Arm版Windowsへの対応を進めています。

まとめ

Appleの「M6」チップ開発の開始は、同社がハードウェア技術においても革新を続ける姿勢を示しています。
内蔵モデムの搭載は、MacBookをより独立したモバイルデバイスへと進化させる重要なステップとなるでしょう。

2026年のMacBook Pro 20周年モデルは、新しいデザイン、OLEDスクリーン、そしてM6チップの搭載により、大きな進化を遂げることが期待されます。
そして2027年には、内蔵モデム機能を持つM6チップが他のMacモデルにも広がっていく可能性があります。

(Via Apple Insider.)


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