macOSを使っていると、知らないうちにたくさんのアプリ拡張機能(appex)がシステムにインストールされています。

これらの拡張機能は、システムの機能を強化する重要な役割を果たしていますが、その全体像を把握するのは簡単ではありません。

今回は、そんなmacOSのアプリ拡張機能を一覧表示してくれる便利なツール「AppexIndexer」について紹介します。

アプリ拡張機能(appex)とは何か

AppexIndexer 02.
アプリ拡張機能、略して「appex」は、macOSやサードパーティのソフトウェアによって広く使用されている機能拡張の仕組みです。これらは、基本的なアプリケーションの機能を拡張し、システム全体と連携するための重要な要素となっています。


例えば、Safariの拡張機能、写真アプリの編集ツール、メールアプリのスパムフィルターなど、私たちが日常的に使用しているさまざまな機能の多くは、実はこの「appex」の形で提供されています。

しかし、これらの拡張機能を見つけて管理することは、思いのほか困難です。macOSでは「システム設定」の[ 一般 ] > [ ログイン項目と拡張機能 ]で一部を確認できますが、それ以外の多くは特定のアプリ設定内に散らばっていたり、あるいは完全に隠れていたりします。

AppexIndexerの登場

このような状況を改善するために開発されたのが「AppexIndexer」です。このユーティリティツールは、macOSに認識されているすべてのアプリ拡張機能に関する重要な情報を表示してくれます。

使い方はとても簡単です。アプリを起動して「Get Appexes」ボタンをクリックするだけで、400以上ものアプリ拡張機能が一覧表示されます。
AppexIndexer 03.

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これらは「SDK」または「NSExtensionPointIdentifier」と呼ばれる識別子によってアルファベット順に整理されています。

例えば、「com.apple.photo-editing」というSDKを使用しているアプリ拡張機能は、「写真」アプリの編集設定で利用可能なものです。

表示される情報

AppexIndexerでは、各アプリ拡張機能について以下の情報が表示されます:

  • SDK(またはNSExtensionPointIdentifier):拡張機能の種類を示す識別子
  • 表示名:システム設定などで表示される名前
  • パス:拡張機能ファイルの場所
  • 親アプリの名前:その拡張機能を提供しているアプリの名前
  • 親アプリのパス:親アプリの場所

これらの情報を見ることで、どのアプリがどのような拡張機能を提供しているのか、またシステムにどのような拡張機能が存在しているのかを一目で把握することができます。

一般的なmacOSのインストール環境では、SpamSieveというEmailの拡張機能(SDK:com.apple.email.extension)から、QuickLookのサムネイルプレビューア、スクリーンセーバー、壁紙に至るまで、400以上の拡張機能が存在しています。

なぜアプリ拡張機能を把握することが重要なのか

アプリ拡張機能は、数が増えているだけでなく、macOSにおいてますます重要な役割を担うようになっています。中には、バックグラウンドプロセスを含むものもあり、悪意を持って利用された場合、ユーザーの気づかないところに常駐する(persistence)手段となる可能性もあります。

もちろん、アプリ拡張機能もTCC(Transparency, Consent, and Control)の厳格なルールに従って保護されたサービスやデータにアクセスする必要がありますが、ユーザーの監視の目をくぐり抜ける効果的な方法となり得ます。

こうした理由から、自分のMacにどのようなアプリ拡張機能がインストールされているかを把握しておくことは、セキュリティ意識の高いユーザーにとって重要な習慣といえるでしょう。

AppexIndexerの入手方法と要件

AppexIndexer 1.0 ビルド5は、以下のリンクからダウンロード可能です:appindexer105

このアプリを使用するには、macOS Sonoma 14.6以降が必要です。これは、AppexIndexerがSwiftUIの最新機能を利用しているためです。

今後の展望

現時点でのAppexIndexerには、検索/Find機能がまだ実装されていません。開発者はこの機能についてまだ作業中とのことです。また、pluginkitコマンドツールから得られる追加情報や、各appexのInfo.plistファイルから入手できるさらなる情報もあります。

現在のバージョンでは、ウィンドウの内容を「Save as RTF」ボタンを使ってRTF形式で保存したり、選択したエントリをコピーしてテキストとして貼り付けたりすることができます。行の選択は、Shiftキーを使って連続的に、またはCommandキーを使って不連続に行うことができます。

開発者は、ユーザーからのフィードバックを募集しています。どのような機能をアプリに搭載してほしいか、appexのプロパティリストにアクセスしてほしいか、あるいはその他の有用なデータや、将来のバージョンでどのように使いたいかなど、意見があれば共有してみてください。

まとめ

AppexIndexerは、macOSの隠れた部分を可視化してくれる便利なツールです。
アプリ拡張機能の全体像を把握することで、自分のMacがどのように動作しているのかをより深く理解することができます。
また、不要な拡張機能を特定したり、セキュリティ上の懸念がある拡張機能をチェックしたりする際にも役立つでしょう。

macOSの内部構造に興味がある方や、自分のシステムをより詳しく把握したい方にとって、AppexIndexerは非常に有用なツールとなるはずです。

(Via The Eclectic Light Company.)


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