「来年、ついに折りたたみiPhoneが登場するかもしれない」

そんな噂、耳にしたことはありますか？まるでSF映画のようなデバイスが、いよいよ現実のものになるかもしれないなんて、ワクワクしますよね。この記事を読み終える頃には、Appleの新しい挑戦の全体像と、なぜ折りたたみiPadの登場が少し先になりそうなのか、そのリアルな裏側までスッキリ理解できるはずです。

でも、iPadファンにとっては、少しだけ残念なお知らせもあるんです。実は、iPhoneと同時に噂されていた「折りたたみiPad」の開発が、一旦ストップしてしまったようなんですね。

一体、Appleの内部で何が起きているのでしょうか？

iPhone Fold、ついに来年登場の可能性

長らく憶測の域を出なかったAppleの折りたたみiPhoneですが、ここにきて具体的な情報が相次いで報告されています。

業界関係者によると、iPhone Foldの生産準備は順調に進んでおり、2026年中の発売に向けて着実にステップを踏んでいるとのこと。これまで「いつ出るかわからない」状態だったAppleの折りたたみデバイスが、ついに現実的なスケジュールに入ったということです。

特に注目すべきは、Appleがこのプロジェクトにかなりのリソースを割いていること。同社は品質に妥協しない姿勢で知られていますが、iPhone Foldについても同様のアプローチを取っているようです。

ただし、発売時期については複数の情報源で微妙なずれがあります。一部のアナリストは2026年前半を予測していますが、Apple特有の完璧主義を考えると、年後半や翌年にずれ込む可能性も十分考えられます。

なぜ？折りたたみiPadが「お預け」になった3つのリアルな理由

一方で、同時期に発売されると予想されていたiPad Foldについては、予想外の展開となっています。

Digitimesの報告によると、Appleは折りたたみiPadの開発を一時停止することを決定したとのこと。この判断の背景には、3つの大きな要因があります。

1. 「大きい画面を曲げる」技術的な難しさ

まず一つ目の理由は、製造の難しさです。スマートフォンの画面を折り曲げるだけでも大変な技術ですが、iPadのような大きなディスプレイを、シワなく、そして何万回も折り曲げられる耐久性を持たせるのは、想像以上に難しいことです。

スマホに画面保護フィルムを貼るだけでも、気泡が入ったりズレたりして一苦労しますよね。あれよりも遥かに複雑で精密な「曲がる画面（フレキシブルディスプレイ）」を、大きなサイズで完璧に作り上げるのは、今の技術ではまだハードルが高いのかもしれません。

2. 高すぎる製造コスト

二つ目は、お金の話です。新しい技術にはつきものですが、この「曲がる画面」は、まだまだ生産コストが非常に高いのが現状です。

iPhoneでさえ高価なデバイスなのに、もしiPadサイズの高価なディスプレイを搭載したら、一体いくらになってしまうのでしょうか。Appleとしても、ほとんどの人が気軽に手を出せないような価格の製品を出すことには、慎重にならざるを得ないのでしょう。

3. 「本当にみんな欲しい？」という需要の問題

そして三つ目が、私たちユーザー側の需要の問題です。正直なところ、「大きな画面の折りたたみデバイス」って、今の時点でどれくらいの人が本当に必要としているでしょうか？

スマートフォンなら、折りたたむことで「大画面」と「携帯性」を両立できる明確なメリットがあります。しかし、すでに大きいiPadをさらに折りたたむ必要性については、まだ市場の確信が持てていない、というのが現実的なところなのかもしれません。

市場の現状と課題

現在の折りたたみデバイス市場を見渡すと、Appleが慎重になる理由がよくわかります。

Samsung Galaxy Z FoldシリーズやHuawei Mate Xシリーズなど、既存の折りたたみデバイスは確かに技術的には素晴らしいものです。しかし、一般消費者への普及という点では、まだまだ課題が多いのが現状です。

価格の高さは依然として大きなハードルです。多くの折りたたみスマホが20万円を超える価格設定となっており、一般的なスマートフォンの2倍以上のコストがかかります。

また、耐久性への不安も完全には解消されていません。折りたたみ部分のディスプレイの劣化や、ヒンジ部分の故障など、長期使用時の信頼性について心配する声も少なくありません。

こうした状況を踏まえると、Appleが「まずはiPhone Foldで市場の反応を見る」という戦略を取るのは理にかなっています。

専門家の予測と今後の展望

業界のアナリストたちは、Appleの折りたたみデバイス戦略について様々な見解を示しています。

Jeff Pu氏のような一部のアナリストは、当初iPhone FoldとiPad Foldの同時発売を予測していました。しかし、Mark Gurman氏はより慎重な見方を示しており、iPad Foldについては2028年以降になると予想していました。

今回の報告を受けて、後者の予測がより現実的だったことが明らかになりつつあります。

興味深いのは、Appleがこの判断を「一時停止」と表現していることです。完全な開発中止ではなく、適切なタイミングを見計らっているということでしょう。

iPhone Foldが成功を収めれば、その技術とノウハウをiPad Foldにも活用できます。また、市場の成熟度や消費者の受け入れ度合いを見極めることで、より確実な製品投入が可能になります。

消費者にとっての意味

この動向は、私たち消費者にとってどのような意味を持つのでしょうか。

まず、iPhone Foldの登場により、折りたたみスマートフォンの選択肢が大幅に広がることが期待できます。AppleのiOSエコシステムを愛用している人にとって、ついに折りたたみデバイスという選択肢が生まれることになります。

一方で、iPad Foldを楽しみにしていた人にとっては残念なニュースです。特に、大画面での作業やクリエイティブな用途でiPadを活用している人たちは、折りたたみ式でより大きな画面を実現できるデバイスに期待していたかもしれません。

ただし、これは必ずしも悪いニュースばかりではありません。Appleが時間をかけて完璧な製品を作り上げることで、結果的により良いiPad Foldが登場する可能性が高いからです。

現在iPadを使っている人は、当面は既存のiPadシリーズで十分な性能と機能を享受できるでしょう。そして将来的には、より洗練されたiPad Foldを手にできるかもしれません。

(Via 9to5Mac.)