iOS 18ではAirPodsユーザーにとって嬉しい進化が見られます。特に「適応型オーディオ(Adaptive Audio)」機能の強化は、日常使いのAirPodsをさらに便利にしてくれる可能性を秘めています。

適応型オーディオとは何か?初代から進化を続ける機能

適応型オーディオは元々AirPods Pro 2専用の機能として登場し、その後AirPods 4にも拡張されました。Appleは当初からこの機能をユーザーのデフォルトノイズモードとなるよう設計していました。

この機能の最大の特徴は、外部音取り込みモードとアクティブノイズキャンセリングを動的に組み合わせることで、環境に応じた最適な聴覚体験を提供することです。


Appleが機能リリース時に説明した通り、適応型オーディオは「ユーザーの環境の状況に基づいて外部音取り込みモードとアクティブノイズキャンセリングを動的に組み合わせる新しいリスニングモード」です。この機能は、ユーザーが一日を通して異なる環境を移動する際に、その状況に応じてノイズコントロール体験をシームレスに調整するように設計されています。

つまり、Appleの意図としては、ユーザーがアクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みモードを頻繁に切り替える必要がなくなり、適応型オーディオひとつで両方のモードの利点を享受できるというわけです。これは外出時や様々な環境で活動する人にとって、非常に便利な機能と言えるでしょう。

初期の適応型オーディオが抱えていた課題

しかし、機能が初めて登場した時点では、期待通りの体験が得られないケースも少なくありませんでした。多くのユーザーが「ノイズリダクションが不十分」と感じ、また特定の状況では外部音取り込みモードの方が適していると考えるユーザーも少なくありませんでした。

初期バージョンでは、適応型オーディオは確かに環境に応じて調整されるものの、望んでいたほどのノイズ軽減効果が得られず、また特定の状況では純粋な外部音取り込みモードの方が使いやすいと感じる場面もありました。

このように、技術的には革新的な機能でありながらも、実際の使用感においては改善の余地があったと言えるでしょう。しかし、Appleはファームウェアのアップデートを通じて、この機能を継続的に改善してきました。

ファームウェアアップデートによる適応型オーディオの進化

様々な情報によると、Appleは複数のファームウェアアップデートを通じて適応型オーディオを更新・改善してきたようです。実際に最近再びこの機能を試してみると、かなり改善されていることが分かります。

以前と比較して、環境音の識別精度が向上し、より適切なノイズ制御が行われるようになりました。それでも完全にデフォルトのノイズモードとして使用するまでには至っていない場合もありますが、少なくとも外部音取り込みモードの代わりとして十分機能するようになってきています。

最大限の騒音をブロックしたい状況では、依然としてアクティブノイズキャンセリングを使用する必要があるかもしれませんが、日常的な使用においては適応型オーディオが十分な選択肢となってきているのです。

iOS 18で追加された重要な設定:適応型オーディオのカスタマイズ

iOS 18では、これまで見落とされがちだった重要な設定が追加されました。それが「適応型オーディオのカスタマイズ」機能です。この新機能こそが、適応型オーディオを唯一必要なモードにする可能性を秘めています。

2023年9月、iOS 18の様々な改善と共に、AirPodsの適応型オーディオ機能もアップグレードされました。このアップデートにより、ユーザーは適応型オーディオを通過させる外部音の量を「より多く」または「より少なく」調整できるようになりました。

これによって、ユーザーはそれぞれの好みや環境に応じて、適応型オーディオの挙動を細かく調整できるようになったのです。騒がしい環境でより多くの音をカットしたい場合や、逆に周囲の音をより多く取り入れたい場合など、状況に合わせた調整が可能になりました。

適応型オーディオをカスタマイズする方法

適応型オーディオのカスタマイズは非常に簡単です。以下の手順で設定できます:

  1. AirPods Pro 2またはAirPods 4を装着した状態で、設定アプリを開きます
  2. 画面上部付近にあるAirPodsメニューに移動します
  3. 「オーディオ」セクション内の「適応型オーディオ」をタップします
  4. スライダーを使用して、お好みに合わせて適応型オーディオを調整します
  5. Adaptive Audio_01.

この最後の画面では、以下のような説明が表示されます:

適応型オーディオは、周囲の環境にダイナミックに反応して、外部ノイズをキャンセルまたは許容します。適応型オーディオをカスタマイズして、許容するノイズの量を調できます。

このスライダーを調整することで、適応型オーディオがどの程度外部音をブロックするか、あるいは取り入れるかをコントロールできます。これにより、24時間適応型オーディオモードのままでいることが可能になるかもしれません。

適応型オーディオの活用シーン

適応型オーディオのカスタマイズ機能を活用できるシーンは多岐にわたります。例えば:

カフェでの作業時には、適度な環境音を取り入れつつも、隣のテーブルの会話などはブロックするよう調整できます。これにより、作業に集中しながらも、名前を呼ばれたときなどには反応できる状態を維持できます。

通勤電車内では、騒音をより多くブロックするよう設定し、快適な音楽視聴環境を確保できます。一方で、駅のアナウンスなどの重要な情報は聞き取れるよう適切なバランスを見つけることが可能です。

オフィス環境では、同僚との会話はクリアに聞こえつつも、離れた場所の雑音はカットするよう調整することで、コミュニケーションと集中のバランスを取ることができます。

このように、一つの適応型オーディオモードを状況に応じてカスタマイズすることで、モード切り替えの手間を省きつつ、最適な聴覚体験を得ることができるのです。

適応型オーディオ機能の今後の展望

今後のファームウェアアップデートでは、さらに適応型オーディオ機能が進化する可能性があります。例えば、AIを活用したより高度な環境音の分析や、個人の好みに合わせた学習機能などが考えられます。

また、現在はAirPods Pro 2とAirPods 4に限定されているこの機能が、将来的には他のAirPodsモデルにも拡張される可能性も十分にあるでしょう。

Appleが掲げる「シームレスな聴覚体験」という目標に向けて、適応型オーディオはその中心的な技術として今後も発展していくことが期待されます。iOS 18で追加されたカスタマイズ機能は、その一歩としての重要な進化と言えるでしょう。

まとめ

iOS 18で進化した適応型オーディオのカスタマイズ機能は、AirPodsユーザーにとって非常に有用な進化です。
これにより、ノイズモードを頻繁に切り替える必要性が減り、より快適なオーディオ体験を得ることができるようになりました。

あなたがAirPods Pro 2やAirPods 4のユーザーであれば、ぜひこの新機能を試してみてください。
自分の好みに合わせて適応型オーディオをカスタマイズすることで、音楽視聴や通話の体験がより良いものになるかもしれません。

一度の設定で、日常のあらゆる場面に対応できる適応型オーディオ。
ノイズモード切り替えの手間から解放される、この新機能の可能性を最大限に活用してみましょう。

(Via 9to5Mac.)


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