OS 17では、iPhoneの天気アプリが大幅にアップデートされました。

はじめに

2007年の登場以来、Appleの「天気」アプリは数々の変貌を遂げてきました。当初はシンプルな7日間の天気予報を提供していましたが、現在では、Appleが2020年に買収したDarkSkyの多くの機能を取り入れた、強力なアプリケーションへと進化しています。

これらの機能は、詳細な天気予報やレーダーマップから、緊急気象通知や降水アラートまで多岐にわたります。

iOS 17の新機能

iOS 17でAppleは、過去のデータ、月に関連する情報、降水量の詳細、とても便利な新しい地図など、多数の新機能を追加することで、Appleは天気アプリをあらゆるサードパーティの天気アプリやサービスに負けないものにし続けています。

これらの機能はすべてiPadOS 17にも搭載されています。

1. 昨日の天気

iOS16では、天気予報をタップすると、10日間予報の豊富なデータとグラフが表示されるようになりました。AppleはiOS 17で、昨日の天気を表示する機能を追加し、この表示をさらに良くしました。

この新機能では、その場所で実際にどれくらいの雨が降ったのか、あるいは何センチメートルの雪が降ったのかなど、前日の実際の状況を知ることができます。そのため、サードパーティ製のアプリを使ったり、天気予報のウェブサイトを見たりして、前日の履歴データを入手する必要はもうありません。

お好みの都市の今日の予報または10日間の予報をタップし、上部のカレンダー表示で前日を選択するだけです。過去のデータであることを反映するように文言が変わり、大気の質のようなものを除いて、昨日のメトリクスのほとんどを見ることができます。

2. 気象状況ビュー

iOS 17では、10日間天気予報の「気温」の項目が「気象状況」に名称変更され、追加情報が表示されるようになりました。最高気温と最低気温、テキストベースの予報（現在の日）または日別の概要（将来の日）が表示されます。

また、降水確率のグラフや、最高気温と最低気温の前日との比較も表示されます

3. 降水確率

詳細予報ビューには降水確率のカテゴリーがありますが、チャートに表示されるのはその日の各時間の雨、みぞれ、雪の量だけです。新しい「気象状況」ビューでは、降水確率のグラフが追加され、降水確率をパーセンテージで表示します

4. 日ごとの比較

任意の都市の今日の予報または10日間の予報をタップすると、ほとんどのメトリクスのための新しいセクションが表示されます。これは現在の天気と昨日の天気を比較するもので、簡単な説明とともに棒グラフで表示されます。

5. 平均

各都市のメインビューに「平均」の新しいタイルがあり、今日の最高気温と過去30日間の平均最高気温が表示され、プラスまたはマイナスの差が示されます。

このタイルをタップすると、24時間グラフが表示され、今日の各時間の気温と過去30日間の平年気温との対比が表示されます。サマリーでは平均気温が一目でわかり、平年値や平均値に関する情報も表示されます。また、1月から12月までの各月の最高気温と最低気温を表示する「月間平均」のセクションもあります。

上部のタブを降水量に切り替えると、同じようなデータが表示されます。つまり、各日の実際の降雨量と平均降雪量を見ることができます。月平均のセクションもあり、平均降水量に関する情報（雪をどのように数値に織り込んでいるかなど）もあります

6. 月相詳細表示

Appleの天気アプリは、各都市の美しい新しいムーンフェーズビューも備えています。新しいタイルとして表示され、現在の月の満ち欠け、照度、月の出/月の入りの時刻、次の満月までの日数が表示されます。

タイルをタップすると、月のタイムラインを表示する新しいモーダルビューが開きます。月の画像はアニメーションで月の満ち欠けを表示し、照度、月の入り、月の出、次の満月、現在地からの距離のデータポイントもタイムラインに沿って変化します。

その下には、3ヶ月分の月の満ち欠けが描かれたカレンダーがあり、各月の満月と新月が表示されます。必要であれば、照度や月の距離の説明もあります。

7. 風速マップ

風速は、仕事からキャンプやセーリングまで、様々なアウトドア活動をする多くの人々にとって重要です。iOS 17では、天気アプリは現在の風速だけでなく、風マップを表示できるようになりました。

新しい風マップを表示するには、都市の予報の下にあるマップアイコンをタップし、レイヤーのアイコンを押して “風” を選択します。12時間にわたる風の移動パターンと予測速度が表示されますが、降水量のように1時間先まで絞り込むことはできません。

都市間をすばやく移動したい場合は、リストアイコンをタップして別の場所を選択します。リストには、現在の風速と突風速度、風向も表示されます。

8. 測定単位の変更

以前のバージョンの天気アプリでは、華氏(ºF)と摂氏(ºC)の温度表示のみを変更することができました。

その他の単位はすべて、[設定]>[一般]>[言語と地域]>[温度単位]で、iPhoneのデフォルトローカルに基づいていました。iOS 17では、Appleは各測定単位にさらに多くの測定単位を導入し、天気で測定単位ごとに直接変更できるようになりました。

気温、風、降水量、気圧、距離の単位を選ぶには、一番下のツールバーのリストアイコンをタップし、右上の省略記号（…）を押し、「単位」を選んでから、メトリックを選び、単位の種類を選びます。地域のデフォルト単位に戻したい場合は、「デフォルトに戻す 」を選択します。

また、どの都市の詳細予報ビューからでも、その場で簡単に単位を変更することができます。該当する各指標のページ下部にオプションが表示されます。以下は利用可能なオプションです：

• 気象状況：摂氏（ºC）、華氏（ºF）、またはシステム設定を使用
• 風：マイル/時（mph）、キロメートル/時（km/h）、メートル/秒（m/s）、ビューフォート（bft）、またはノット（kn）
• 降水量：インチ（in）またはミリメートル（mm）
• 体感温度： 摂氏（ºC）、華氏（ºF）、またはシステム設定を使用
• 視程：マイル（mi）またはキロメートル（km）
• 気圧：ミリバール（mbar）、水銀柱インチ（inHg）、水銀ミ柱リメートル（mmHg）、ヘクトパスカル（hPa）、キロパスカル（kPa）

以前のiOSバージョンと同様、[設定]>[天気]で温度単位を変更できますが、[システム設定を使用]という新しいオプションが追加されました。また、[設定]>[一般]>[言語と地域]>[温度単位]でも温度単位を変更できます

9. 風力のビューフォート・スケール

10日間予報の詳細ビューにある風の指標にビューフォートスケールが追加され、風とその影響を視覚化できるようになりました。

Appleはこの機能の説明の中で、「ビューフォートスケールを使うことで、風の強さや風の影響を理解しやすくなるかもしれません」と述べています。このビューで単位オプションを調整すると、その変更を反映してスケールが更新されます。

10. スタンバイモードの天気

iOS 17に搭載されたAppleの新機能「スタンバイ」は、スタンドで充電しながらiPhoneが横向きでスリープしている時、画面にウィジェットを表示することができます。

どのiPhoneモデルでも使えますが、iPhone 14 Proと14 Pro Maxだけが常時オン状態のスタンバイモードをサポートしています。新しい天気アプリケーションのウィジェットでは、現在の状況、気温、その日の最高気温と最低気温を一目で確認できます。

11. その他の天気アプリの変更

• チャートに表示される当日のメトリクスの線は、現在や未来の状況ではなく過去のデータであることを示すため、以前の時間帯は破線になっています。
• 現在地を表示する際、都市名の上に “My Location “が大きく表示されるようになりました。
• 各都市のメインビューの大気質タイルの配置を変更し、色付きのAQIラインがテキストの下ではなく、インデックス番号とテキストの間に表示されるようになりました。
• 各都市のメインビューの風のタイルが大きくなり、より多くの情報が表示されるようになりました。風速はコンパスから移動し、ガストスピードも表示されるようになりました。
• iPadはiPadOS 16でようやく「天気」アプリを手に入れましたが、iOS 16の新しいカスタマイズ可能なロック画面を同時に手に入れることはできませんでした。しかしiPadOS 17ではそれが修正され、Weatherのロック画面ウィジェットをどのロック画面にも追加できるようになりました。
• [設定]>[天気]から「天気とプライバシーについて」のリンクを利用できます。