iOS 26のSafari進化:Liquid Glassだけじゃない4つの注目ポイント

Appleがこの秋リリースする「iOS 26」では、Safariに大きな刷新が入ります。話題の中心は「Liquid Glass」という新しいデザインですが、それだけではありません。
日常的に使う人にとって実際に役立つ、いくつかの“見落としがちな進化”も含まれています。この記事では、Webアプリ体験からプライバシー、HDR画像対応、そしてウォレット連携による本人確認まで、Safariの変化を整理します。
Webアプリ体験がフルスクリーン対応に

これまでSafariで「ホーム画面に追加」したページは、多くの場合ただのブックマークの延長でした。フルスクリーン表示やAppスイッチャーでの独立動作は、正しくWebアプリとして構成されたサイトに限られていたのです。
iOS 26では、どのWebページでもスタンドアロンのWebアプリとして開けるようになります。つまり、普段よく使うニュースサイトや仕事用のダッシュボードを、アプリのように全画面で扱えるということ。
たとえばGoogleカレンダーやNotionをWeb経由で使っている人にとっては、専用アプリをインストールしなくても快適さが増します。PWA(Progressive Web App)の裾野が一気に広がると考えられます。
HDR画像への対応で色が際立つ
次の進化は「HDR画像サポート」です。HDR対応サイトをSafariで開くと、これまで以上にコントラストが豊かで鮮やかな色彩が楽しめます。特にiPhoneやMacの最新ディスプレイはHDR表示に強いので、その性能をより引き出せるでしょう。
たとえば写真ギャラリーや商品ページを閲覧するとき、従来のSDR表示では白飛びや黒つぶれが起きがちでした。HDR対応なら、暗い部分の階調も維持したまま明るさを表現できます。動画配信やオンラインショップにとっても、視覚的な訴求力が変わるはずです。
プライバシー保護が標準で強化
Safariが長年こだわっているのが「トラッキング防止」ですが、iOS 26では一歩踏み込みます。「高度なフィンガープリント保護(Advanced Fingerprinting Protection)」が、デフォルトで有効化されるのです。
従来は「プライベートブラウズ」モードでのみ自動適用され、通常のブラウズではユーザーが設定でオンにする必要がありました。しかし今後はSafari全体で標準搭載。これにより、端末やブラウザの細かな特徴を組み合わせてユーザーを特定する“デジタル指紋”の作成を防げます。
AppleのWebKitチームは「これでWebプライバシーを大幅に強化し、新しい業界標準を示すことを目指す」と述べています。広告業界から見れば痛手ですが、ユーザーにとっては安心感が増す変化です。
ウォレットでの本人確認がWebに広がる

特に米国ユーザーに影響が大きいのが「Verify with Wallet on the Web」という新機能です。Apple ウォレットに登録した州IDや運転免許証、パスポートを使って、オンラインで本人確認ができるようになります。
従来は免許証の写真をアップロードしたり、セルフィーを撮影したりと手間がかかりました。新方式では、Apple Payのようなポップアップで必要な情報だけを選び、サイトに安全に共有できます。標準化団体W3CのDigital Credentials APIやFIDOのCTAPプロトコルに準拠しているため、幅広い採用も期待できます。
すでにUber EatsやTuro、米銀行のU.S. Bank、さらにアリゾナ州やジョージア州の運転局などで導入予定と発表されています。日本への展開は未定ですが、マイナンバーカードや運転免許証との連携が将来的に可能になれば、本人確認のあり方が大きく変わるでしょう。
背景にあるAppleの戦略
こうしたSafariの進化には一貫した流れがあります。ひとつは「アプリとWebの境界を曖昧にする」方向性。Liquid GlassやWebアプリ強化は、iOS全体をより一貫した体験に近づけます。
もうひとつは「ユーザーデータの守護者」としての立ち位置。広告収益に依存しないAppleだからこそ、積極的にプライバシー強化を進められるのです。
また、Verify with Walletのような本人確認機能は、将来的に金融や行政サービスとの結びつきを強める可能性があります。端末を“個人認証のハブ”にする動きは、ハードとソフトの垂直統合を進めるAppleらしい戦略に見えます。
今後の見通しと注意点
ただし、すべてが順風満帆というわけではありません。Webアプリの強化は開発者側の対応が追いつかないと真価を発揮しにくく、HDR画像も非対応端末では体感できません。
プライバシー強化は一部のサイトの表示や動作に影響する可能性がありますし、ウォレット認証は地域的制約が大きいのが現状です。
それでも、日々のブラウジング体験が着実に進化するのは間違いありません。iOS 26のSafariは、見た目だけでなく“使い勝手と安心”の両面で強化されたアップデートといえるでしょう。
まとめ
リリース後は、まず[設定] > [Safari]でプライバシー関連のオプションを確認し、日常的に使うサイトをホーム画面に追加してみると、このアップデートの恩恵を実感できるはずです。
(Via 9to5Mac.)


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