AppleはAppKitドキュメントを更新し、macOSのペーストボード(アプリ間でデータをやり取りするシステム全体の仕組み。一般的にはクリップボードと呼ばれる)に関する重要な変更が予定されていることを開発者に通知しました。
変更点の概要
- 現状の問題点: 現在のmacOSでは、アプリがユーザーに知られたり、事前の許可を得たりすることなく、プログラムによってペーストボード(クリップボード)の内容を読み取ることが可能です。
- iOSと同様の警告機能(今後の変更点): iOS 14以降と同様に、macOSでもプライバシー警告が導入されます。ユーザーが明示的にペースト操作を行っていないのにアプリがプログラムでペーストボードを読み取ろうとすると、警告が表示されるようになります。
- 開発者向けの新しいツール: Appleは`NSPasteboard`と`NSPasteboardItem`に新しい「検出メソッド」を導入します。これにより、アプリは実際に内容を読み取ることなく(したがって警告をトリガーせずに)、ペーストボードにどのような種類のデータ(テキスト、画像など)が含まれているかを確認できるようになります。これは、アプリが必要以上に警告を発生させずに機能するために役立ちます。
- ユーザーによる制御強化: ユーザーは、アプリごとにペーストボードへのアクセス権限を細かく設定できるようになります。
- 導入時期: この機能は「近日公開予定」(タイトル通りならmacOS 16)です。開発者はこの変更に先立って新しいAPIを採用し、Mac上で新しい挙動をテストすることができます。
- 未確定要素: この変更が、クリップボードの内容読み取りに大きく依存しているサードパーティ製のクリップボード管理アプリにどのような影響を与えるかは、まだ不明です。
– 常に許可: そのアプリは常にペーストボードを読み取れる。
– 完全にブロック: そのアプリはペーストボードを一切読み取れない。
– 毎回確認: アプリがアクセスしようとするたびに、許可を求めるプロンプトが表示される。
要するに、AppleはmacOSに待望のクリップボード(ペーストボード)に関するプライバシー保護と透明性をもたらし、ユーザーがコピー&ペーストした内容をどのアプリが見ることができるかを、より詳細に制御できるようにする、ということです。
あなたにとってどういう意味があるの?
このアップデートは、私たちの日常的なコピペ習慣にどう影響するのでしょうか?
基本的に、あなたが安心してコピー&ペーストできる環境が整うということです。
パスワードやクレジットカード番号、個人情報など、センシティブな情報をコピーしたとき、どのアプリがこっそり読み取っているか分からない…という不安がなくなります。
特にmacOSを仕事で使っている方にとっては、企業の機密情報を扱う際の安心感が増すでしょう。
テクノロジーの進化とプライバシー保護の両立は、現代のデジタルライフでは欠かせない要素になっていますね。
Appleがこうした細部にまで気を配っているのは、ユーザー体験を大切にする姿勢の表れなのでしょう。
一応付け加えておくと、これはmacOS 16で導入される見込みの機能ですので、正式リリースまでは変更される可能性もあるんです。
(Via 9to5Mac.)
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