Appleは過去に環境配慮を大義に革新的な素材を導入しましたが、FineWoven（ファインウーブン）の失敗を経て、新たに“TechWoven（テックウーブン）”としてその名を変え、再挑戦を図っているようです。

失敗を乗り越え、技術志向でタフなケースへと回帰できるのか。以下で詳細を追います。

FineWovenの振り返りとその失敗の要因

FineWovenは2年前に登場し、レザーの代替として「68%の消費後リサイクル素材によるエレガントで耐久性の高いツイル」として紹介されました。しかし、発売後わずか数週間で日常使用に耐えられないほどの傷みが目立ち、多くのユーザーが「Appleらしからぬ品質」と価格（約60ドル）に疑問を呈しました。

またThe Vergeによれば、MagSafeウォレットを含むFineWovenアクセサリーは箱から出した直後に劣化や摩耗が見られ、生産も早期に停止されたと報じられています 。さらに、iPhone 16シリーズ発表ではFineWovenケースは姿を消し、シリコン／クリアケースだけが展示されていました。

TechWoven登場の噂とその特徴

FineWovenの後を受ける形で、“TechWoven”と呼ばれる新素材のケースが準備中との噂が広がっています。ヒントを提供しているのはリーカー Majin Bu。TechWovenはより「技術的（technical）な印象」で、“高級感”よりも実用性重視のアプローチへと舵を切る意図があるようです。

カラーバリエーションは黒、青、緑、紫、オレンジなど複数色が予測され、全 iPhone 17モデル（17, 17 Pro, 17 Pro Max, 17 Air）対応と見られます 。機能面ではマグセーフ対応、金属製クリック感ボタン、非滑りテクスチャ、カメラコントロールボタン用開口、両サイドにストラップ用ホールなどが搭載される予定です。

また、TechWovenはFineWovenの弱点だった「長期使用での光沢化や摩耗」に強いという主張も見られます。

TechWovenはFineWovenの失敗を克服できるか？

FineWovenの失敗は、素材の耐久性とコストパフォーマンスのバランスを欠いた点にあります。ユーザーレビューでは「数日で傷が付いた」「染料がマグセーフ充電器に移った」などネガティブな声がありました。中には「数年にわたり耐えた」と評価する例もありますが、全体としては品質への信頼が損なわれた印象です。

TechWovenはこうした教訓を反映して「持続する外観と質感」「実用性に寄った構造」「サステナブル性の維持」を掲げており、もしこれが実現されればFineWovenの“見た目重視による脆さ”という欠点を補える可能性があります 。

ただし、依然として価格次第ではユーザーの反発を招くリスクもあります。Tom’s GuideはFineWovenを「素材は安く、価格は高くて失敗だった」と厳しく評しており、新たなTechWovenにも同様の批判はつきまとうでしょう。

(Via iDrop News.)