iOS 26でSiriとお別れ?EU発のAIアシスタント選択制、日本への影響は?

iOS 26でSiriとお別れ?EU発のAIアシスタント選択制、日本への影響は?

スマートフォンの操作を声で手助けしてくれる「音声アシスタント」。iPhoneユーザーの方なら、おなじみの「Siri」を毎日使っているかもしれませんね。

そんなSiriに関して、次期大型アップデートと噂される「iOS 26」で、大きな変化が訪れる可能性が高まっています。なんと、Siriを他のAIアシスタントに変更できる機能が、特定の地域で導入される可能性があるというのです。

一体どんな背景があり、私たちのiPhoneライフにどんな影響があるのでしょうか?

EUで先行?Siriを他のAIアシスタントに変更できる可能性

最近、AppleのAI戦略に関する海外報道の中で、非常に興味深い情報が明らかになりました。


米国の経済ニュースで有名なBloombergのMark Gurman氏とDrake Bennett氏によると、AppleはEU(欧州連合)の規制に対応するため、iOSの仕様変更に取り組んでいるとのこと。その変更とは、ユーザーがSiri以外の音声アシスタントを「初期設定」として選べるようにするというものなのです。
IOS 26 Siri_02.
これは、iPhoneユーザーにとっては大きな変化と言えます。これまでSiriはiPhoneの標準音声アシスタントとして固定されており、基本的に他のものに置き換えることはできませんでした。

しかし、この報道が事実であれば、将来的には「ChatGPT」やGoogleの「Gemini」といった、他の高性能なAIアシスタントをiPhoneのメイン音声アシスタントとして設定できるようになるかもしれません。

実は、EUのユーザーが世界の他の地域に先駆けてiOSの新機能を利用できるようになった例は、これが初めてではありません。例えば、iOS 18.4では、EU域内のユーザーはiPhoneの標準ナビゲーションアプリを「Appleマップ」から「Google Maps」などに変更できるようになりました。今回の音声アシスタントの変更も、これと同様の動きと言えるでしょう。

ただし、現時点での情報では、iOS 26でSiriを完全に置き換えられる機能は、EU域内に限定される可能性が高いと見られています。昨年、ChatGPTがSiriと連携できるようになったように、他のAIアシスタントもSiriを補完する形で利用できるようになるものの、完全にSiriの代わりを務めるまでには至らない地域が多いかもしれません。

なぜEU限定?Appleの戦略と規制の背景

では、なぜAppleはこのような大きな変更を、まずはEU限定で検討しているのでしょうか。そこには、EUの厳しい規制と、Apple自身の戦略が絡み合っていると考えられます。
IOS 26 Siri_03.
EUは近年、「デジタル市場法(DMA)」をはじめとする法整備を進め、巨大IT企業による市場の寡占化を防ぎ、公正な競争を促す動きを強めています。特定のサービス(この場合はSiri)を自社プラットフォームのiPhoneに固定し、ユーザーの選択肢を制限することは、こうした規制の観点から問題視される可能性があるのです。

Appleとしては、EUの規制当局からの指摘や是正命令を避けるため、先手を打って対応しようとしているのかもしれません。一方で、Appleは自社の製品やサービスがシームレスに連携する「エコシステム」を強みとしており、Siriはその中核を担う存在です。

そのため、全世界で一斉にSiriの置き換えを許可することには慎重な姿勢を見せていると考えられます。まずはEUという限定された地域で対応し、その影響を見極めたいという意図があるのではないでしょうか。

世界展開の可能性は?AppleがSiri以外の選択肢を広げる3つの理由

現時点ではEU限定と見られているSiriの置き換えオプションですが、将来的には米国本土や日本を含む他の地域にも広がる可能性はゼロではありません。

ただ、Appleが政府の介入なしに自主的にこの選択肢をグローバルに提供することには懐疑的ですが、それでもいくつかの理由から、その可能性を探ることができます。
IOS 26 Siri_04.

1. 各国の規制の動きへの対応

まず考えられるのは、各国の規制の動きへの対応です。EUは確かにAppleにとって規制対応における最大の「課題地域」かもしれませんが、同様の動きは世界中で見られます。Appleの本拠地である米国でも、巨大IT企業に対する風当たりは強まっています。

もし、今後さまざまな国で同様の規制が導入されることになれば、その都度対応を迫られるよりも、いっそのこと全世界のiPhoneユーザーに音声アシスタントの選択肢を提供することで、将来的な法的措置や、Appleが望まないもっと大きな変更を強要されるリスクを未然に防ぐことができるかもしれません。これは、企業戦略としての「先回り」と言えるでしょう。

2. 新たな収益機会の創出

次に、新たな収益機会の創出という側面も無視できません。AppleがGoogleとの間で交わしている、iPhoneの標準検索エンジンをGoogleにする代わりに巨額の契約金を受け取っている話は有名です。

もしAppleがiOS 26でSiri以外のAIアシスタントをデフォルトとして選択できるようにした場合、同様のビジネスモデルを構築できる可能性があります。

例えば、ユーザーがChatGPTやGeminiを標準アシスタントとして選んだ際に、それらの開発企業からAppleに対して何らかの支払いが行われるといった契約を結ぶことで、新たなサービス収益を生み出すことができるのです。これはAppleにとって魅力的な選択肢となる可能性があります。

3. デフォルト設定変更のハードルの高さ

そして最後に、意外かもしれませんが、デフォルト設定変更のハードルの高さも、Appleがこの変更を世界に広げる後押しになるかもしれません。

iPhoneユーザーは何十億人もいますが、その中でわざわざ標準のメールアプリやメッセージアプリ、そして音声アシスタントの設定を変更しようとする人は、実はごく一部に限られると予想されます。

多くの人は、最初に設定されているものをそのまま使い続ける傾向があります。これは、変更が面倒だったり、そもそも変更できることを知らなかったり、現状に大きな不満がなかったりするためです。

Apple自身、これまでに標準アプリの変更オプションを提供してきた中で、実際にどれくらいのユーザーが設定を変更したかのデータを持っているはずです。もしその数がごくわずかであるならば、Siriを置き換え可能にしても、大半のユーザーはSiriを使い続けるため、Appleのエコシステムへの影響は限定的だと判断できるかもしれません。

EUでの対応のために既に開発コストをかけているのであれば、これらの理由を考慮して、世界中のユーザーにもその選択肢を提供する方がメリットが大きいと判断する可能性も否定できません。

Siriの未来と私たちの選択肢

もしiOS 26で本当にSiriを他のAIアシスタントに変更できるようになったら、私たちユーザーにはどのような影響があるのでしょうか。

一つは、より自分の好みや使い方に合ったAIアシスタントを選べるようになるというメリットです。

例えば、文章作成や専門的な知識の検索に強いAIアシスタントを日常的に使いたい人もいれば、スマートホーム機器との連携に優れたアシスタントを求める人もいるでしょう。選択肢が増えることで、iPhoneがさらにパーソナルで便利なツールになる可能性があります。

一方で、Siri自体の進化も期待されます。競争相手が登場することで、AppleもSiriの機能向上や応答精度改善に、より一層力を入れるかもしれません。Apple独自のプライバシー保護技術と連携した、より安全で賢いSiriが登場することも考えられます。

もちろん、現時点ではあくまで噂の段階であり、Appleからの正式な発表はありません。しかし、AI技術が急速に進化する中で、音声アシスタントのあり方が変わっていく可能性は十分に考えられます。

まとめ

次期iOS 26で噂される「Siriの置き換えオプション」について、その背景や世界展開の可能性、そして私たちユーザーへの影響を解説しました。

  • EUの新規制への対応として、iOS 26でSiri以外のAIアシスタントをデフォルト設定できる機能が導入される可能性がある。
  • 当初はEU限定と見られるが、各国の規制動向、新たな収益機会、デフォルト設定変更のハードルの高さなどを理由に、将来的にグローバル展開される可能性も。
  • 実現すれば、ユーザーはより自分に合ったAIアシスタントを選べるようになり、Siri自体の進化も期待される。

Appleが今後、この件に関してどのような発表をするのか、そして私たちのiPhoneの使い方がどのように変わっていくのか、非常に注目されます。

(Via 9to5Mac.)


LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)