Appleが昨日発売したAirPods 4は、2つのモデルが用意されています。一つは、アクティブノイズキャンセリング（ANC）、ケース内蔵スピーカー、ワイヤレス充電に対応した上位モデル。

もう一つは、これらの機能は搭載していませんが、上位モデルと同じH2オーディオチップと改良されたデザインを採用した標準モデルです。

AirPods 4の革新：イヤーチップなしのANC

Appleが最近発表したAirPods 4は、2つのモデルで展開されています。高機能モデルはANC、ケース内蔵スピーカー、ワイヤレス充電に対応し、もう一方のモデルはこれらの機能を省いていますが、両者とも最新のH2オーディオチップと改良されたデザインを共有しています。

特に注目すべきは、ANC対応モデルがイヤーチップを使用せずにノイズキャンセリングを実現している点です。従来のイヤホンでは、効果的なANCのためにイヤーチップが不可欠とされてきました。しかし、AirPods 4は、この常識を覆す革新的な設計を採用しています。

Appleエンジニアが明かす「魔法」の秘密

Appleのハードウェアエンジニアリング担当副社長、Kate Bergeron氏は、この革新的な技術の裏側をEngadgetのインタビューで語っています。

Bergeron氏は、2021年にAppleの音響ラボで行われたデモンストレーションを振り返り、次のように述べています：

私たちは本当に驚きました。『これは絶対に何かがある。追求して実現しなければならない』と言いました。

ANCアルゴリズムの進化

効果的なANCアルゴリズムには、音響学的および計算処理的な作業が必要です。AirPods 4では、イヤーチップがない分、さらに高度な処理が求められました。

Bergeron氏は次のように説明しています：

多くの面で、AirPods Proよりもさらに計算処理が集中的になっています。イヤーチップがあれば、かなり一貫したフィット感が得られますが、それがない分、より複雑な処理が必要になるのです。

H2チップの威力

AirPodsマーケティングディレクターのEric Treski氏は、この技術的ブレークスルーについて次のように語っています：

イヤーチップのない製品で素晴らしいANC品質を生み出すのは、本当に、本当に難しいことです。H2チップの能力がそれを可能にしているのです。私たちは実際に、H2チップを最大限に活用してANCの品質を管理し、環境ノイズをマイクで聴き取って、可能な限り多くのノイズをキャンセルしています。

AirPods 4のANC性能評価

これまでのところ、AirPods 4のANC機能に対する評価は非常に好意的です。特に音楽やポッドキャストを再生している際のノイズキャンセリング効果が高く評価されています。

ただし、Appleは最高のANC性能を求めるユーザーには依然としてAirPods Pro 2を推奨しています。イヤーチップを使用したモデルならではの、より完全な遮音効果を得られるためです。

AirPods 4が示す未来のイヤホン技術

AirPods 4の革新的なANC技術は、イヤホン業界に新たな可能性を示しています。イヤーチップなしでも高性能なノイズキャンセリングが実現できるということは、より快適で衛生的な装着感と、優れた音質の両立が可能になることを意味します。

今後、他のメーカーもこの技術に追随する可能性が高く、消費者にとってはより選択肢が広がることになるでしょう。

また、この技術の進化により、より自然な装着感と周囲の音の認識を両立させた「透過モード」の性能向上も期待できます。

(Via BGR.)