iPhoneのNFC機能が大解放!Apple Payの独占終了で新時代へ

iPhoneのNFC機能が大解放!Apple Payの独占終了で新時代へ

Appleは、iPhoneのNFC(近距離無線通信)機能を開発者に開放することを決定しました。

これにより、Apple Pay以外のデジタルウォレットやアプリが、iPhoneを利用してさまざまなコンタクトレス取引を行うことが可能になります。

NFC開放の背景:EUの圧力がきっかけに

AppleがNFC機能を開放する決定をした背景には、EUの圧力がありました。欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)により、Appleは競合他社にも技術へのアクセスを許可することを求められていたのです。

当初は欧州限定の措置でしたが、Appleはこの変更を世界的に展開することを決定。米国を含む7カ国で、サードパーティー開発者にNFC機能へのアクセスを許可することになりました。

NFC機能開放の対象国

  • オーストラリア
  • ブラジル
  • カナダ
  • 日本
  • ニュージーランド
  • イギリス
  • アメリカ

開発者にとっての新たな可能性

この変更により、開発者たちは以下のようなサービスをiPhone上で直接提供できるようになります:

  • アプリ内での非接触決済
  • 電子キー(車、家、ホテルなど)
  • 交通系ICカード
  • 社員証
  • 学生証
  • ポイントカード
  • イベントチケット

将来的には、政府発行のIDカードにも対応する予定だそうです。

これまでApple PayやApple Walletを通じてのみ可能だった機能が、サードパーティーアプリでも実現できるようになるのです。しかも、ユーザーのプライバシーを守るAppleのSecure Element(セキュアエレメント)技術を利用できるため、セキュリティ面でも安心です。

ユーザーにとっての利便性向上

iPhoneユーザーにとって、この変更は大きな利便性の向上をもたらします。

  1. デフォルト決済アプリの選択が可能に
  2. サイドボタンのダブルクリックで、選択したアプリが起動
  3. 多様な決済方法や電子キーを1台のiPhoneで管理

例えば、普段使っているクレジットカード会社のアプリを、iPhoneのデフォルト決済アプリに設定できるようになります。

サイドボタンをダブルクリックするだけで、そのアプリが起動し、スムーズに決済ができるようになるのです。

Apple NFC Free_02.

開発者が守るべき基準と手続き

しかし、この新機能を利用するには、開発者側にもいくつかの条件があります。

  1. Appleとの商業契約の締結
  2. NFCとSecure Elementの利用資格の申請
  3. 関連する手数料の支払い
  4. 業界規制や法的要件の順守
  5. Appleのセキュリティとプライバシー基準の維持

Appleは、ユーザーのセキュリティとプライバシーを守るため、これらの条件を設けています。「ユーザーのセキュリティとプライバシーを保護するソリューションの設計に多大なリソースを投入しました」とAppleは述べています。
Apple NFC Free_04.

新機能の導入時期と今後の展望

この新機能は、iOS 18.1のリリースと共に導入される予定です。具体的な時期は2024年の秋頃と見られています。


今回の変更は、iPhoneの利用方法に大きな影響を与える可能性があります。例えば:

  • 決済方法の多様化:様々な企業が独自の決済アプリを提供
  • 電子キーの普及加速:家や車、オフィスの鍵がスマートフォンに
  • 公共サービスのデジタル化:交通系ICカードや身分証明書のスマートフォン化

これらの変化は、私たちの日常生活をより便利で効率的なものにしてくれるでしょう。

業界への影響:競争激化と新サービスの誕生

この変更は、モバイル決済市場に大きな影響を与えると予想されます。

  • 競争の活性化:Apple Pay以外の決済サービスがiPhoneに参入
  • 新サービスの登場:NFCを活用した革新的なアプリの誕生
  • セキュリティ技術の進化:各社がより安全なシステムを競って開発

「この動きは、モバイル決済市場に新たなイノベーションをもたらす可能性があります」と、ある金融アナリストは指摘しています。

まとめ

Appleによるこの決定は、長年のiPhone利用者からの要望に応えるものでもあります。
より自由な選択肢と、多様なサービスの利用が可能になることで、iPhoneの利便性は更に高まるでしょう。

ただし、新しい機能が導入されれば、それに伴う新たなセキュリティリスクも考えられます。
ユーザーは、信頼できる開発元のアプリのみを使用するなど、これまで以上に慎重なアプリ選びが求められるかもしれません。

(Via The Verge.)


LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)