ヘッジファンドのApple株取引 – 一社は全株売却、別の一社は大量取得

ヘッジファンドのApple株取引 – 一社は全株売却、別の一社は大量取得

2024年の第1四半期、Apple株に関する動きが注目を集めました。いくつかの大手ヘッジファンドや投資家がApple株の売買を行い、その影響で市場の反応も大きく変動しました。

ヘッジファンドの動向

Coatue Managementの売却

Coatue Managementは2024年第1四半期にApple株をすべて売却しました。具体的には、四半期の初めに240万株、約4億7,000万ドル相当を保有していましたが、3月末までに全てを売却しました。

この動きは、Appleの株価回復が予想外の四半期決算発表前に行われました。

Viking Globalの購入

一方で、Viking GlobalはApple株を大量に購入しました。VikingはCoatueが売却した以上の株を購入し、現在約6億6,400万ドル相当のApple株を保有しています。

Berkshire Hathawayの動き

Warren Buffett氏率いるBerkshire Hathawayも同様に、2024年第1四半期にApple株の持ち分を13%減少させました。とはいえ、Appleは依然としてBerkshire Hathawayの最大の持ち株であり、約1,354億ドル相当を保有しています。

アナリストの評価と市場の反応

アナリストの評価

2024年第1四半期、アナリストたちはAppleの株価を一貫して下方修正しました。特に、中国でのiPhone需要の低迷がその主な理由でした。JP MorganはAppleの目標株価を引き下げ、AI機能の導入が2025年まで見込まれないとしました。

Morgan StanleyもAppleに対して強気の姿勢を保ちながらも、株価を引き下げました。

Appleの四半期決算とその影響

Appleは2024年5月2日に四半期決算を発表し、中国でのiPhone売上は予想よりも悪くなかったことを報告しました。この発表後、Appleの株価は急上昇しました。

Appleはハードウェアとソフトウェアの強み、そして近い将来のAI機能の導入に対する期待から、市場の信頼を取り戻しました。

投資家の戦略

Buffett氏の長期戦略

Berkshire HathawayがApple株を売却した背景には、短期的な問題ではなく、技術系企業からの資金移動があると考えられます。2024年第1四半期は、Berkshire HathawayがApple株を売却した2期連続の四半期でした。

Coatue Managementの戦略

Coatue Managementも同様に、多くの技術企業への依存を減らしましたが、その一方でGoogle株を大量に購入しました。この動きは、技術分野に対する選択的な投資戦略を示しています。

今後の見通し

Appleは今四半期について楽観的であり、前年同期比で一桁台の増収を見込んでいます。Apple株は年初来ほぼ横ばいで推移しており、2月と3月は厳しい状況でしたが、第2四半期(会計年度)の決算発表後数時間で、年初来の下落分のほぼすべてを回復したことで下支えされています。
AAPL 0516_02.

まとめ

ヘッジファンドのApple株の売買は、短期的な株価の変動に左右されやすい一面があります。しかし、Berkshire Hathawayのように長期的な視点で投資を行う投資家もいます。
Buffett氏はこれまでにもApple株を売却したことがありますが、それは必ずしも同社の将来性に対する懸念を示すものではないと考えられます。
Appleは、iPhoneの販売不振という短期的な課題を抱えていますが、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによる強みと、AI分野での取り組みなどを通じて、長期的な成長の可能性を秘めています。
投資家は、短期的な株価の変動に一喜一憂するのではなく、同社の基本的な事業の強さと将来の成長見通しを冷静に評価することが重要でしょう。

また、一部のヘッジファンドがテクノロジー企業から離れる動きを見せていることは、業界全体の動向を反映している可能性があります。投資家は、個別銘柄の分析だけでなく、マクロ的な視点から業界の変化にも注目する必要があるでしょう。

(Via Apple Insider.)


LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)