Appleの2025年第1四半期業績の概要
Appleは2025年1月30日、2024年12月28日を期末とする2025年度第1四半期(Q1)の決算を発表しました。
今回の決算では、総収益が1,243億ドルと前年同期比4%増加し、1株当たりの希薄化後利益(EPS)は2.40ドルと前年同期比10%増加しました。これは、Appleにとって過去最高の四半期業績となりました。
Tim Cook CEOは、「このホリデーシーズンにおいて、Appleの最高の製品およびサービスをお客様に提供できたことを大変嬉しく思います。Appleシリコンの力を活かし、Apple Intelligenceによってアプリやエクスペリエンスをより優れたものにしました。4月には、Apple Intelligenceがさらに多くの言語に対応する予定です」とコメントしました。
各地域別の売上
Appleの売上を地域別に見ると、以下のようになりました。
- アメリカ: 526億4800万ドル(前年同期比 +4.4%)
- ヨーロッパ: 338億6100万ドル(前年同期比 +11.4%)
- 中国本土: 185億1300万ドル(前年同期比 -11.1%)
- 日本: 89億8700万ドル(前年同期比 +15.7%)
- アジア太平洋地域(中国を除く)**: 102億9100万ドル(前年同期比 +1.3%)
特に日本市場では前年同期比15.7%の大幅増となっており、円安などの影響も追い風となったと考えられます。
一方、中国市場では前年同期比11.1%の減少となっており、競争の激化が影響した可能性があります。
製品カテゴリ別の売上
Appleの売上を製品カテゴリ別に見ると、以下のようになりました。
- iPhone**: 691億3800万ドル(前年同期比 -0.8%)
- Mac: 89億8700万ドル(前年同期比 +15.5%)
- iPad: 80億8800万ドル(前年同期比 +15.2%)
- サービス: 263億4000万ドル(前年同期比 +13.9%)
- ウェアラブル、ホーム、アクセサリー: 117億4700万ドル(前年同期比 -1.7%)
サービス部門の売上が26.3%増加し、過去最高を更新したことが特筆すべきポイントです。これはApple Music、Apple TV+、iCloudストレージの成長が寄与していると見られます。
株主への還元と財務状況
Appleは、第1四半期の業績を受けて、株主への還元を強化しています。
- 1株あたり0.25ドルのキャッシュ配当を発表(2月13日支払い予定)
- 株主への総還元額は300億ドルを超える見込み
Kevan Parekh CFOは、「今回の記録的な収益と強固な営業利益率により、EPSは二桁成長を遂げました。また、全製品と地域におけるアクティブデバイスのインストールベースが過去最高に達したことも大変喜ばしい」と述べました。
アナリスト予測との比較
決算発表前にFactSetが集計したアナリスト予測と実際の結果を比較すると、Appleの売上と利益は概ね市場の期待通りでした。
- 総収益: 1243億ドル(予想 1243億ドル)
- EPS: 2.40ドル(予想 2.35ドル)
- サービス売上: 263億ドル(予想 261億ドル)
ただし、iPhoneの売上が予想の710億ドルを下回る691億ドルにとどまった点は、今後の課題となりそうです。
今後の展望と市場動向
Appleは2025年4月に、AI技術を活用した「Apple Intelligence」の新機能を複数の言語で提供開始する予定です。これにより、SiriやiOSの新機能の向上が期待され、さらなるサービス収益の拡大につながる可能性があります。
また、中国市場での競争激化に対処するため、新しい販売戦略が必要になるかもしれません。今後の四半期決算でも、中国市場の動向がAppleの業績に与える影響に注目が集まりそうです。
まとめ
一方で、iPhoneの売上が市場予測を下回り、中国市場での売上減少が見られました。
今後の焦点は、「Apple Intelligence」の導入がどれほどサービス収益を押し上げるか、そして中国市場の回復が見込めるかどうかにかかっているでしょう。
(Via Apple.)
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