Appleが新ビジネスツールを発表:企業のブランド露出を強化
Apple Business Connectの進化:より多くの企業に開放される新機能
Appleが、企業向けの無料サービス「Apple Business Connect」の機能拡張を発表しました。
このサービスにより、企業はAppleのプラットフォーム上で自社の存在感を高めることができます。今回の更新で、メール、Tap to Pay on iPhone、そしてAppleの電話アプリにまでブランディングを統合できるようになりました。
さらに、実店舗を持たない企業にも門戸が開かれ、より多くのビジネスがこのサービスを活用できるようになります。
Apple Business Connectとは?
Apple Business Connectは、2023年初頭に導入されたサービスで、それ以前のApple Business Registerを発展させたものです。このサービスを使うと、企業はAppleの15億台のデバイス上で自社の情報を管理できます。具体的には、Maps、Siri、Spotlight検索、Safari、Walletなどのアプリやサービスでの表示を制御できるのです。
新機能の詳細:企業のブランド露出を最大化
1. メールアプリでのブランディング強化
今年後半には、企業のブランド情報がAppleのメールアプリにも反映されるようになります。これまでは単調な灰色のロゴだったところが、企業名とロゴが表示されるようになります。
さらに、メールを開くと、ブランドのロゴから派生したカラフルなヘッダーが画面上部に大きく表示されます。
この「Branded Mail」機能は、iOS 18で刷新されるメールアププリと同時に登場します。新しいメールアプリでは、Gmailのように「プライマリ」「トランザクション」「アップデート」「プロモーション」などのタブでメールが分類されます。ただし、Apple Business Connectでブランド設定をしているかどうかは、メールの振り分けには影響しないそうです。
2. Tap to Payでのブランド表示
Tap to Pay(iPhoneでの非接触決済)でも、企業のアイコンが表示されるようになります。これまでは単なるカテゴリーアイコンだったものが、企業固有のものに変わります。企業名も決済プロセス中にカスタマイズして表示できるようになります。
Appleによれば、この変更により顧客は信頼できる検証済みの企業に支払いをしていることがわかるようになるとのことです。
3. 電話アプリでの企業識別(2025年予定)
来年には、電話アプリでの統合も予定されています。これにより、着信時に企業名、ロゴ、部署名が表示されるようになり、迷惑電話やスパムの判別がしやすくなります。
すべての企業に開かれたサービスへ
今回の更新で特筆すべきは、Apple Business Connectがあらゆるタイプの企業に開放されることです。これまでは実店舗を持つ企業が主な対象でしたが、今後は以下のような企業も利用できるようになります:
- サービス提供企業
- 自宅を拠点とする企業
- 完全オンラインの企業(実店舗なし)
企業にとってのメリット
Apple Business Connectを活用することで、企業は以下のようなメリットを得られます:
- ブランドの一貫性:Appleのエコシステム全体で統一されたブランドイメージを提示できる
- 顧客との信頼関係構築:公式の情報源として認識されることで、顧客からの信頼が高まる
- 露出の増加:様々なAppleアプリやサービスでブランドが表示されることで、認知度が向上する
- カスタマイズ性:企業のニーズに合わせて情報を調整できる
- インサイトの獲得:顧客がどのように企業情報を見つけ、どのようなアクションを取るかを分析できる
今後の展開と利用開始方法
Appleによれば、これらの新機能は「ほとんどの」企業が世界中で利用できるようになるとのことです。利用を開始するには、Appleアカウントを使ってApple Business Connectにサインアップするだけです。
大規模な企業の場合は、DAC Group、Rio SEO、SOCi、Uberall、Yextなどの掲載管理代理店を通じて、複数の店舗情報を一括管理することも可能です。
Appleのインターネットソフトウェアおよびサービス製品担当シニアディレクターであるDavid Dorn氏は次のように述べています:
実店舗を持たない企業を含むすべての企業に、毎日10億人以上が使用するAppleアプリ全体でブランドを創造する機会を提供できることを嬉しく思います。Business Connectは、企業がAppleユーザーに最高で最も正確な情報を提示できるように設計されています。今回の更新により、さらに多くの企業が顧客にリーチし、信頼を築き、成長できるよう支援します。
デジタル時代のブランディングの新たな一歩
Apple Business Connectの拡張は、デジタル時代におけるブランディングの重要性を再認識させるものです。Appleのエコシステム内で統一されたブランドイメージを提示できることは、企業にとって大きな強みとなります。
特に、メールアププリやTap to Pay、電話アププリなど、顧客との直接的な接点となる場面でブランドを表示できるようになったことは注目に値します。これにより、顧客との信頼関係構築がより容易になると同時に、ブランドの記憶度も高まることが期待されます。
また、実店舗を持たない企業にもサービスが開放されたことで、デジタルファースト時代に即したサービスになったと言えるでしょう。オンラインビジネスやサービス提供企業にとっても、Appleのプラットフォーム上でブランドを確立する絶好の機会となります。
今後、このサービスがどのように進化し、企業のデジタルマーケティング戦略にどのような影響を与えていくのか、注目していく必要がありそうです。
(Via Apple Newsroom.)
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