MacPaintの生みの親、Bill Atkinson氏、膵臓がんとの闘病を公表

MacPaintの生みの親、Bill Atkinson氏、膵臓がんとの闘病を公表

Bill Atkinson(ビル・アトキンソン)という名前を聞いたことがあるでしょうか?彼は、1980年代のApple社で数々の革新的な技術を生み出し、コンピュータの世界に革命をもたらした人物です。

彼の代表作であるMacPaintは、グラフィックソフトウェアの原点として、多くの人に愛されました。Macintoshの初期開発に携わった彼の功績は、今日のコンピュータ体験に欠かせない要素を形作っています。

そんなBill Atkinson氏が2024年10月1日、膵臓がんと診断されたという悲しいニュースを自らのFacebookで公表しました。

彼は現在、化学療法を受けながら前向きに日々を過ごしています。このブログでは、彼の闘病について、そして彼のこれまでの偉大な功績について詳しく紹介します。

Bill Atkinson氏の軌跡と偉大な功績

Bill Atkinson氏は、1978年から1990年までApple社で働き、Macintoshの開発において数々の重要な技術を担当しました。彼の業績は単に技術面にとどまらず、私たちのコンピュータとの接し方を根本から変えました。その一例がMacPaintです。

MacPaintの革新

MacPaintは1984年にリリースされ、世界初の一般ユーザー向けグラフィックエディタとして広く知られています。当時のコンピュータは、文字を入力するだけの存在であることが多かったですが、MacPaintはユーザーが自由に描画することを可能にしました。

絵を描く、アイコンをデザインする、図を作成することが簡単にできることで、クリエイティブな表現がデジタルの世界で一気に広がりました。

QuickDrawとその他の革新

Atkinson氏はMacPaintだけでなく、Macintoshの表示技術を支える”QuickDraw”の開発にも携わりました。QuickDrawは、Macintoshのグラフィックの表示を高速化するための技術であり、これがあったからこそ初代Macintoshはスムーズで視覚的に優れた操作体験を提供できたのです。

さらに、ダブルクリックやメニューバー、選択ツールなど、今日のコンピュータで当たり前に使われている操作の基礎を築いたのも彼です。その貢献がなければ、私たちが知っているグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)は存在しなかったかもしれません。

HyperCardが切り開いたマルチメディアの未来

1987年、Atkinson氏はHyperCardを開発しました。このソフトウェアは、現代のWebブラウザやマルチメディアオーサリングツールの先駆けとなる革新的なシステムでした。

プログラミングの知識がなくても、カードと呼ばれる画面を作成し、それらをリンクで結ぶことで、インタラクティブなコンテンツを作成できるようにしたのです。

闘病生活と彼の思い

膵臓がんの診断

2024年10月1日、Atkinson氏は膵臓がんと診断されました。彼によると、血管に関与する部分があり、手術は現時点では不可能とのことです。そこで、化学療法を行いながら腫瘍を縮小させ、手術に持ち込むことを目指しています。

彼は「化学療法をよく耐えており、精神的にも元気だ」と述べ、毎日、外で犬たちと散歩を楽しんでいるそうです。

彼は物理的な治療だけでなく、心のケアにも取り組んでおり、スタンフォード大学とUCSFの医療チームに加え、ホリスティックな治療を受けていると話しています。その結果、彼は痛みを軽減し、失った体重を少しずつ取り戻しているとのことです。

感謝と希望に満ちた姿勢

彼はまた、自身の人生に対して深い感謝の気持ちを示しています。「73年間、私は驚くべき素晴らしい人生を送ってきた。愛され、愛し、多くの人々の生活にポジティブな影響を与えることができたことに感謝している」と彼は語っています。

Atkinson氏はまた、”Iboga”と呼ばれる経験から、彼の意識や記憶が物理的な身体を超えて存在し続けることを確信しており、死に対して恐れではなく、むしろ期待と好奇心を抱いていると述べています。このような視点を持つ彼の姿勢は、多くの人々に勇気とインスピレーションを与えているのではないでしょうか。

未来へのメッセージ

Bill Atkinson氏の人生は、技術の進歩と人間性の調和を追求し続けた物語です。彼の創造した機能の多くは、現代のデジタル社会において不可欠な要素となっています。そして今、重い診断を受けながらも、彼は日々の瞬間を大切にし、感謝の気持ちを持って生きることの大切さを私たちに教えてくれています。

Atkinson氏の功績は、単なる技術的な革新にとどまりません。それは、技術が人々の生活をより豊かにし、創造性を解き放つための道具となりうることを示した証でもあるのです。彼の築いた基盤は、これからも私たちのデジタルライフの中で生き続けることでしょう。

同じ病気になった身として

私も同じように、10年前すい臓がんのステージIVで、余命宣告されました。

私の場合も、腫瘍が大きくなっていて門脈から分かれる毛細血管まで巻き込んでおり、手術でその毛細血管全てを繋ぐことが出来ないので、抗がん剤で毛細血管の前の門脈まで腫瘍を小さくすることで血管を繋ぎ併せることが出来る状態に持っていくと言うことになりました。

同氏は、「化学療法はかなりうまく耐えられており、元気です。」とのことなので、順調に腫瘍が小さくなることを願っています。

(Via .)

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)