Appleの新しいDMAコンプライアンス計画に対するSpotifyとEpic Gamesの反発

Appleの新しいDMAコンプライアンス計画に対するSpotifyとEpic Gamesの反発

AppleがEU(欧州連合)のデジタル市場法(DMA)に対応するため、新たな料金体系を発表しました。しかし、この動きに対して、音楽ストリーミング大手のSpotifyやゲーム開発会社Epic Gamesが強く反発しています。

彼らは、Appleの新しい方針を「混乱を招くもの」「違法」「受け入れがたい」と批判しています。この騒動の背景には何があるのでしょうか?

Appleのデジタル市場法(DMA)対応:新料金体系の内容

Appleは当初、デジタル市場法(DMA)への対応策として新しい料金体系を提案しましたが、EUはこれを不十分とし、調査を開始しました。そこでAppleは方針を修正し、新たな提案を行いました。

新料金体系の主なポイント

  1. リンクアウトの自由化: 開発者は、アプリ内から自社のウェブサイトにリンクを貼ることが可能に
  2. コアテクノロジー料金の廃止: 以前提案されていた料金を撤回
  3. 新たな2つの料金の導入:
  4. – 初期獲得料金(Initial Acquisition Fee)
    – ストアサービス料金(Store Services Fee)

Apple DMA_02.

SpotifyとEpic Gamesの反応:強い批判の声

Spotifyの主張

Spotifyは、Appleの新提案を「意図的に混乱を招くもの」と批判しています。同社の声明によれば:

  1. 最大25%の手数料は「ユーザーとの基本的なコミュニケーションに対する課金」であり、受け入れがたい
  2. 価格設定やリンクといった基本的な要素に対する継続的な手数料は、デジタル市場法(DMA)の要求に明らかに反している
  3. EUに対し、調査の迅速化と日々の罰金の実施、デジタル市場法(DMA)の執行を求めている

Epic Gamesの反応

Apple DMA_03.
Epic GamesのCEO、Tim Sweeney氏は、自身のXアカウントで次のように述べています:

EUでは新しいデジタル市場法(DMA)法がApp Storeの競争を開放していますが、Appleは悪意のあるコンプライアンスを続けています。競合ストアに移行するユーザーに違法な15%の『ジャンク料金』を課し、これらの競合ストアでの取引を監視しています。

両社とも、Appleの新方針がデジタル市場法(DMA)の精神に反していると主張しているのです。


新料金体系の詳細:開発者への影響

Appleの新料金体系は、開発者にとってどのような影響があるのでしょうか。主要なポイントを見ると:

  1. 初期獲得料金: 新規ユーザーがアプリをインストールし、最初の1年間に行った購入の5%をAppleが徴収
  2. ストアサービス料金: 最初の1年間の売上の10%をAppleが徴収
  3. 適用条件: アプリが再インストールまたはアップデートされた場合、1年のカウントがリセット
  4. 例外規定: 小規模ビジネスプログラムに参加している開発者や、既存のルールが適用される開発者には異なる条件が適用される可能性あり

問題の本質:App Storeの支配権をめぐる争い

この騒動の背景には、App Storeの支配権をめぐるAppleと開発者たちの長年の対立があります。

Appleの主張

  • App Storeの運営には多大なコストがかかっている
  • App Storeを通じてユーザーと開発者をつなげる価値を提供している
  • セキュリティやプライバシーの保護に貢献している

批判側の主張

  • Appleの手数料が高すぎる
  • App Storeの独占状態が競争を阻害している
  • 開発者の自由な事業展開を制限している

この対立は、デジタル経済における大手プラットフォーム企業の影響力を巡る、より大きな議論の一部となっています。

EUの対応:今後の展開に注目

EUは、Appleの新提案を受けて、どのような判断を下すのでしょうか。現時点では以下の可能性が考えられます:

  1. 新提案を受け入れ、デジタル市場法(DMA)への遵守と認める
  2. さらなる修正を要求する
  3. 罰金などの制裁措置を科す

EUの決定は、アプリ開発業界全体に大きな影響を与える可能性があります。今後の展開に注目が集まっています。

まとめ

Appleのデジタル市場法(DMA)対応をめぐる騒動は、単なる一企業の問題ではありません。
デジタルプラットフォームの在り方、そしてデジタル経済の未来を左右する重要な問題なのです。

  • 開発者にとっては、より自由な事業展開の可能性
  • ユーザーにとっては、より多様なアプリやサービスの選択肢
  • プラットフォーム企業にとっては、ビジネスモデルの再考

この問題の行方は、私たちのデジタルライフにも大きな影響を与えるでしょう。
技術の進歩と公正な競争のバランスをどう取るべきか、この議論は今後も続いていくことでしょう。

(Via Tech Crunch.)


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