Apple Watchシリーズは、これまでも健康と安全をサポートする革新的な機能を提供してきましたが、次期モデル「Apple Watch Ultra 3」では、さらに進化した命を守る機能を搭載する可能性が浮上しています。

これは、BloombergのMark Gurman氏による信頼性の高い情報源からの報告で明らかになりました。

衛星通信機能がもたらす新たな可能性

Apple Watch Ultra 3に搭載される予定の最も注目すべき機能が、衛星経由でのテキストメッセージ送信機能です。

この機能は、すでにiPhoneシリーズで提供されている「緊急SOSvia衛星」や「Messages via Satellite」の機能を、初めてApple Watchに導入するものです。

スマートウォッチに衛星通信機能を搭載するのは、主要メーカーの中でAppleが初めての試みとなります。この革新的な機能により、通常の携帯電話の電波が届かない場所でも、空が見える環境であれば通信が可能となります。

特に重要なのは、この機能がApple Watch単独で利用できる点です。山岳地帯でのトレッキングや海上でのアクティビティなど、iPhoneを持ち歩くことがリスクとなるような状況でも、腕に装着したApple Watchだけで通信手段を確保できるようになります。

技術的な進化と実装の課題

Apple Watch Ultra 3への衛星通信機能の搭載には、いくつかの技術的な進歩が伴います。その一つが、通信モデムの変更です。現行モデルで使用されているIntel製のモデムから、MediaTek製のモデムへの移行が計画されています。

この変更により、Apple Watchは従来のLTE通信から、ウェアラブルデバイス向けの「低帯域5G通信」にアップグレードされる見込みです。ただし、自社開発のモデムチップについては、現時点ではiPhoneが優先されており、Apple Watchへの搭載は当面予定されていないとされています。

健康管理機能の更なる進化

衛星通信機能に加えて、Apple Watch Ultra 3では健康管理機能の強化も期待されています。特に注目されているのが、血圧モニタリング機能です。この機能は、具体的な数値を表示するのではなく、高血圧の兆候を検知する形で実装される予定です。

また、より長期的な開発目標として、非侵襲性の血糖値トラッキング機能も研究されています。ただし、この機能の実装にはまだ時間がかかる見込みです。

命を救う可能性を秘めた新機能

Apple Watch Ultra 3の衛星通信機能が特に注目される理由は、その潜在的な安全性の向上にあります。例えば、以下のような状況で威力を発揮する可能性があります：

• 山岳地帯での遭難時の救助要請
• 海上での緊急事態発生時の連絡手段
• 携帯電話の圏外エリアでの事故発生時の通報
• アウトドアアクティビティ中のiPhone破損時のバックアップ通信手段

期待される発売時期と市場への影響

Bloomberg誌の報道によると、Apple Watch Ultra 3は2025年の発売を予定しているとされています。この新機能の搭載により、アウトドア向けスマートウォッチ市場において、Appleの競争力は更に強化されることが予想されます。

(Via 9to5Mac.)