TSMCが将来のAppleチップ用の1.6nmプロセスを発表

TSMCが将来のAppleチップ用の1.6nmプロセスを発表

AppleのチップメーカーであるTaiwan Semiconductor Manufacturing Company (TSMC) は最近、将来のAppleデバイスに搭載される可能性のある、非常に先進的な1.6nmチップの生産計画を発表しました。

この開発は、チップのロジック密度、性能、電力効率の大幅な改善を約束するものです。

TSMCのA16プロセス:1.6nmノード

TSMCが新たに発表した「A16」プロセスは、革新的なナノシートトランジスタと新しいバックサイドパワーレール・ソリューションを組み込んだ 1.6nmノードです。TSMCのN2Pプロセスと比較して、A16テクノロジーは以下のような性能を発揮すると期待されています。

  • 速度が8〜10%向上
  • 同じ速度で消費電力が15〜20%削減
  • チップ密度が最大1.10倍に改善

TSMCは2026年にA16プロセスを使用したチップの生産を開始する予定です。

先進のチップ製造技術へのAppleの取り組み

歴史的に、Appleは最先端のチップ製造技術を採用する最初の企業の1つとなっています。例えば、AppleはiPhone 15 ProとiPhone 15 Pro MaxのA17 Proチップで、TSMCの3nmノードを初めて採用しました。

このトレンドを考えると、Appleが1.6nmプロセスを含むTSMCの今後のノードに追随する可能性は非常に高いと言えます。

Appleは通常、最も先進的なチップ設計をiPhoneに導入し、その後、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TVのラインナップに統合します。

System-on-Wafer(SoW)技術

TSMCはまた、1つのウェーハー上に複数のダイを集積するSystem-on-Wafer(SoW)テクノロジーの導入を発表しました。

この技術革新により、より少ないスペースでコンピューティングパワーを向上させ、Appleのデータセンター運用を変革する可能性があります。TSMCのSoW製品には以下のようなものがあります。

  1. Integrated Fan-Out(InFO)テクノロジーベースのSoW(すでに生産中)
  2. CoWoSテクノロジーを活用したチップオンウェーハーバージョン(2027年の準備完了を予定)

2nmおよび1.4nmチップに向けた進捗

TSMCは、将来のAppleシリコン世代に向けて、2nmおよび1.4nmチップの製造に向けて大きな進歩を遂げています。

  • 2nm「N2」ノード:2024年後半に試作、2025年後半に量産
  • 強化された「N2P」プロセス:2026年後半
  • 「A14」1.4nmチップ:2027年から台湾の施設で生産開始

Appleのチップロードマップ

Appleの今後のチップリリースは、以下のような軌道をたどると予想されます。

  • iPhone 16ラインナップ用A18チップ:N3Eベース
  • 2025年のiPhoneモデル用A19:Appleにとって初めての2nmチップ
  • 2026年:2nmノードの強化バージョン
  • 2027年:新発表の1.6nmプロセス

TSMCの各ノードは、トランジスタ密度、性能、効率の面で前世代を上回ります。2022年末には、TSMCがすでに2025年の導入が期待される2nmチップのプロトタイプをAppleに実演していたことが報告されました。

まとめ

各TSMCノードは、その前身をトランジスタ密度、性能、効率の面で超えています。
Appleとの戦略的パートナーシップは、これらの先進技術の主流製品への採用を加速するだけでなく、私たちのデバイスに期待できる速度、省電力性、全体的な性能という新たな基準を設定します。
これらの技術的進歩が道を切り開くことで、よりスマートで、より速く、より効率的な電子機器が実現します。

(Via MacRumors.)


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