テクノロジー業界に大きな影響を与える可能性のある重要な展開がありました。Appleが、Googleの検索サービスに関する独占禁止法違反の是正措置を決める裁判について、延期を求める申し立てを行いました。

この動きの背景には、両社の間に存在する年間200億ドル規模の契約関係があり、その行方が世界中のスマートフォンユーザーに影響を及ぼす可能性があります。

事件の経緯と背景

2024年8月、Googleとその親会社であるAlphabetが検索広告市場で独占的な立場にあるという判断が下されました。この判決を受けて、今後Googleがどのような是正措置を取るべきかを決める裁判が予定されています。


Appleは当初、この是正措置を決める裁判に参加を求めていました。その理由は、GoogleとAppleの間には、iPhoneのデフォルト検索エンジンとしてGoogleを設定する代わりに、年間200億ドルの支払いを受けるという重要な契約が存在するためです。

しかし、Appleが2024年12月23日に提出した参加申請は、アミット・メータ判事によって時期が遅すぎるとして却下されました。

Appleの主張と争点

Appleは新たな法廷文書で、メータ判事の判断は誤りであると主張しています。Appleの視点によれば、自社の利益が適切に保護されていないことが明確になった時点で、速やかに介入を申し立てたとしています。

一方、メータ判事は、Appleは2020年の事件開始時点で、契約上の権利が影響を受ける可能性があることを認識しているべきだったと指摘しています。これに対してAppleは、司法省が提案した「GoogleとAppleの間のあらゆる契約を禁止する」という方針が明らかになるまで、そのような影響を予測することは不可能だったと反論しています。

現在の状況と今後の展開

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メータ判事は、Appleに対して意見書の提出を認めるとしていましたが、Appleによれば、これでは不十分だと主張しています。さらに、司法省はAppleが「事実証人から2つの宣誓供述書を提出する」ことさえも認めないよう争う意向を示しているとされています。

Appleは、Googleとの契約終了に関する審議から排除されることで、「明確で実質的な回復不能な損害」を被ると主張しています。この影響は、数百万人のユーザーとAppleのiPhoneでのGoogle検索提供に対する報酬にまで及ぶとしています。

今後のスケジュールと見通し

メータ判事は2025年8月までに本件を結審させることを目指しており、追加の関係者参加は遅延につながるとしています。これに対してAppleは、まさにこの時間的制約があるからこそ、自社の参加が認められるべきだと主張しています。

Appleは、メータ判事の法廷での延期申し立てと並行して、DC巡回区裁判所にも同様の申し立てを行う予定です。ただし、メータ判事の法廷が延期を認めた場合は、DC巡回区裁判所への申し立ては取り下げるとしています。

具体的なスケジュールとして、Appleは2025年2月4日までに本申し立ての決定がなされることを期待しています。もし申し立てが却下された場合、DC巡回区裁判所での手続きは継続されることになりますが、その審理スケジュールは現時点で明確になっていません。

まとめ

この事案は、テクノロジー業界における競争と独占の問題、そして消費者の利益をどのように保護するかという重要な課題を提起しています。
AppleとGoogleの契約関係は、多くのiPhoneユーザーの日常的なインターネット利用に直接影響を与える可能性があり、その行方が注目されています。

今後の展開次第では、私たちがスマートフォンで使用する検索エンジンの選択肢や、テクノロジー企業間の取引関係に大きな変化がもたらされる可能性があります。
この裁判の結果は、デジタル時代における公正な競争のあり方を考える上で、重要な先例となることが予想されます。

(Via Apple Insider.)


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