Apple Watchが日本で心房細動履歴機能を提供開始

心房細動履歴機能の概要

Apple Watchが、日本のユーザーに向けて、心房細動履歴という革新的な機能を提供し始めました。この機能は、心房細動と診断された人々により詳細な心臓の健康情報を提供し、より良い健康管理をサポートすることを目的としています。

これまでにない新機能

Apple Watchはすでに高心拍数と低心拍数の通知、心肺機能の通知、不規則な心拍の通知、心電図アプリなど、多くの健康管理機能を備えています。

しかし、今回追加された心房細動履歴機能は、それらに加わる新たなツールです。この機能により、心房細動の発生時間や頻度を長期にわたって記録し、健康に影響を与える生活習慣要因を管理するための重要な情報を提供します。

心房細動とその影響

心房細動とは

心房細動は、日本で約100万人が罹患していると推定される主要な心臓疾患の一つです。放置すると、脳卒中などの深刻な合併症につながる恐れがあります。心房細動負荷と呼ばれる心房細動の持続時間は、症状や生活の質、合併症のリスクに影響を与える可能性があります。

心房細動の管理における課題

これまで、心房細動の頻度を長期的に記録したり、健康状態に影響を及ぼす可能性のある生活習慣要因を管理するための簡単な方法はありませんでした。

Apple Watchの心房細動履歴機能

Apple Watchは、心房細動の診断前後でユーザーをサポートします。研究によれば、心房細動負荷（心房細動が起こっている時間）は、症状や生活の質、合併症のリスクに影響を与えることが分かっています。心房細動の持続時間は、運動や健康的な食生活、適切な体重維持、心房細動を悪化させる恐れがある疾患の治療により減らすことが可能です。

新機能の利用方法

Apple Watchの心房細動履歴機能

iOS 17.0以降とwatchOS 10.0以降で利用可能になった心房細動履歴機能は、心房細動と診断された日本のユーザーに以下のようなメリットを提供します：

心房細動の兆候を示した時間の推定値などの重要な情報へのアクセス
週ごとの通知により、心房細動に関連する可能性のある生活習慣要因の詳細な履歴をヘルスケアアプリで確認可能
ユーザーは、心房細動と生活習慣要因の履歴が記載されたPDFをダウンロードし、かかりつけの医療機関と詳細な情報に基づいた会話をすることができます。これにより、医師はリズム治療の効果を評価し、患者自身も健康状態についての理解を深めることができます。

専門家の意見

杏林大学医学部循環器内科学教室の副島京子医師は、次のように述べています。

心房細動の治療には、脳梗塞予防の抗凝固療法、症状を改善するためのレートコントロールや、リズムコントロールに加え、体重、睡眠、運動、アルコール摂取量、喫煙などの生活習慣関連因子の管理も含まれます。
しかし、病院での診断と患者からの聞き取りだけでは正しい評価は困難でした。Apple Watchで得られる健康データは、患者の健康全般に関して医師が指導する上ですでに役立っています。
心房細動履歴によって、Apple Watchを使ってユーザーの心房細動負荷を評価できるようになり、医師はリズム治療の効果を評価するための手助けとしてさらに活用できます。
患者もまた、運動時間や睡眠時間、アルコール摂取量などの情報によって、自身の健康状態について理解を深めることができ、健康維持に活用できます。心房細動履歴による効果を非常に期待しています